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北海道「市場分断」で電力高騰 卸電力価格は全国の倍

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4月に電力小売りの全面自由化がスタートして3カ月、システム不具合等で、東京電力による小売事業者に対する電力使用量の通知遅延などの問題がいまだ未解決だが、北海道では、本州との市場の分断による、取引電力の高騰が課題として浮き彫りになってきた。

日本で唯一、発電事業者と小売電気事業者との間で行われる電気の取引を仲介する、日本卸電力取引所(JEPX)。JEPXにおける北海道での電力の卸価格は、全国と比べて約2倍の高値がついている。昨年度は、全国平均に比べて17%高かった卸価格は、全面自由化後、月を重ねるごとに上昇し、6月は全国平均の倍にあたる、1kWhあたり15.9円と跳ね上がった。

北海道と本州を結ぶ送電ケーブル「北海道本州間連系線」の容量に限りがあり、本州から電力を購入できない「市場分断」事態になると、価格競争により道内の電源が上がることが原因だ。連系線の強化が急務となりそうだ。

経済産業省によると、6月30日時点で、北海道で登録された小売電気事業者は14社。電力の卸価格の高値が続くと、安さを売りに、電力市場に新たに参入した小売電気事業者の経営を逼迫することにもなるだろう。

電力監視等委員会が今年1月の第4回制度設計専門会合に提出した、卸電力市場のモニタリング報告(2015年4月~9月期)においても、東京中部間連系線に次いで、北海道本州間連系線の市場分断が定期的に発生していることが指摘されている。相対的に5月と9月に高い発生率を記録していた。

東京中部間連系線の容量は60万kWで、そのうち、大規模停電などの備える分を除くと、電力の取引で使用できるのは10~20%。今後、90万kWまで30万kWを増強する計画があるが、2019年の運用開始予定だ。

一方、東京中部間連系線については、電力広域的運営推進機関が先月29日、大規模災害発生時の電力の安定供給確保に向けて、現在計画中のFC210万kWから300万kWまで90万kW増強する広域系統整備計画を策定し公表している。

太陽光発電導入が飽和状態で陸の孤島化に拍車

LPガス会社のサイサン(埼玉県さいたま市)のグループ企業で、ガスワングループとして、電力の小売り事業に参入した、いちたかガスワン(北海道札幌市)は、グループとして、北海道千歳市などでメガソーラー事業を展開する。小売電気事業者にとって、いかに電源を確保するかも重要な施策となってくる。

しかし、北海道では、固定価格買取制度の開始以降、太陽光発電を中心に再生可能エネルギーの導入拡大が進み、2014年12月に、北海道における太陽光発電の国による設備認定容量は同社の最小需要(270万kW程度)を上回る300万kW程度(2014年5月末時点)に達したことを発表している。太陽光導入が飽和状態で、新たな太陽光発電の導入も進まないことが、電力市場における北海道の陸の孤島化に拍車をかけている。

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