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水素専焼タービンの高効率化研究、水素社会の実現シナリオを検討する事業者決定

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NEDOは5日、「水素利用等先導研究開発事業」において、新たに100%水素を燃料とした水素専焼タービン燃焼器の先導的な研究開発と、水素社会実現までの精緻化された技術開発シナリオ・戦略の刷新・策定する事業者を公募し、実施体制を決定したと発表した。

「大規模水素利用技術の研究開発」においては、三菱日立パワーシステムズ・三菱重工業による研究テーマ「水素専焼対応型Dry Low NOx 高温ガスタービンの研究開発」および川崎重工業による研究テーマ「水素ガスタービン燃焼技術の研究開発」を採択し、実施先として決定した。

また、「トータルシステム導入シナリオ調査研究」では、東京工業大学・産業技術総合研究所・エネルギー総合工学研究所を実施先として決定した。これまでの調査研究成果を継続・発展させ、水素社会実現までの技術開発シナリオの作成・精緻化を目指す。

採択テーマの概要は下記の通り。

水素専焼対応型Dry Low NOx高温ガスタービンの研究開発

委託予定先は三菱日立パワーシステムズと三菱重工業。事業期間は2016~2017年度。

数百MW級の発電事業者向け大型ガスタービンに適用可能な水素専焼ドライ低NOx(※2)燃焼器の開発に向けて、クラスタバーナ(小型バーナを複数個組み合わせた形式の燃焼器)の大型高温化および燃焼器特性の評価等の技術開発を行う。燃焼器の構造成立性の検討、縮小モデルバーナの解析検討および設計・製作を行い、火炎形状の適正化、安定燃焼の実現、低NOxの実現を目指す。

※2 ドライ低NOx:ガスタービン高効率化のために蒸気/水の噴射をせずに低NOxを実現する燃焼器。従来燃焼器はNOx排出を抑えるために燃焼器に蒸気/水を噴射していたが、この蒸気/水の噴射はガスタービン効率低下を伴う。

水素ガスタービン燃焼技術の研究開発

委託予定先は川崎重工業。事業期間は2016~2017年度。

数MW級の自家用発電向け水素ガスタービン発電において、キーコンポーネントとなる水素専焼ドライ低NOx燃焼器の研究開発を行います。数値流体力学(CFD)解析(※3)を用いた流動、燃焼ガス分布の予測により、燃焼器形状の検討を行います。設計・試作した燃焼器は高圧水素燃焼試験を行い、低NOxで安定燃焼の達成を目指す。

※3 数値流体力学(CFD)解析:流れの状態や燃焼反応に関する各種の方程式をコンピュータを用いて解き、現象を予測するシミュレーション手法。

トータルシステム導入シナリオ調査研究

委託予定先は東京工業大学、産業技術総合研究所、エネルギー総合工学研究所。事業期間は2016~2017年度。

NEDOは、これまで水素社会実現に向けた基礎的調査研究において、技術情報および内外の政策情報を集約した各種要請を反映し、技術開発シナリオ検討のフレームワークを完成させるとともに、想定されうる前提条件に基づく一通りのシナリオを作成してきた。

今回の追加公募により、これまでの調査研究成果を継続、発展させるとともに、学理に根差した技術的革新性、社会的・組織的な合理性を付与させる。この研究によって、エネルギーシステム全体における水素エネルギーの位置づけを明確にするとともに、具体的導入形態の例示、開発中の技術の位置づけの明確化、および今後強化すべき技術等により、シナリオの精緻化を図る。

水素利用等先導研究開発事業について

2014年4月11日に閣議決定された「エネルギー基本計画」では、水素を日常の生活や産業活動で利活用する社会である「水素社会」の実現に向けた取り組みを加速することが定められている。

NEDOは「水素利用等先導研究開発事業」において、2030年以降の長期的視点をにらみ、将来の水素エネルギー利活用の本格化を見据え、再生可能エネルギーを利用した水素製造およびエネルギーキャリアを用いた水素の貯蔵・輸送における要素技術の研究開発を実施している。

今般、将来の水素需要の創出に向けて水素発電の本格導入が検討されている中、2030年以降の実用化を目指し、発電効率を下げずに低NOxを達成するドライ型水素専焼ガスタービン燃焼器の要素技術開発2テーマを新たに追加した。

【参考】
NEDO - 水素専焼タービンの先導的研究開発等に着手
NEDO - 「水素利用等先導研究開発事業」に係る実施体制の決定について

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