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横浜市など、公共施設の蓄電設備を束ねて「仮想の発電所」 平常時はDRに活用

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横浜市など、公共施設の蓄電設備を束ねて「仮想の発電所」 平常時はDRに活用
スマートレジリエンス・VPP構築事業における各者の役割

スマートレジリエンス・VPP構築事業における各者の役割

神奈川県横浜市、東京電力エナジーパートナー、東芝の3者は、横浜市の公共施設内に設置した蓄電池設備を、電力の需要と供給のバランスを維持するために「仮想の発電所」(バーチャルパワープラント:VPP)として構築する、公民一体となった取組みを開始する。

3者は6日、横浜市内におけるVPPの構築に向けた事業「スマートレジリエンス・バーチャルパワープラント(VPP)構築事業」に係わる基本協定を締結したと発表した。

この事業は、蓄電池設備の効用を小売電気事業者とユーザーが分かち合う新たなサービスモデルである。具体的には、地域防災拠点に指定されている横浜市内の小中学校(各区1校、全18校を予定)に、10kWhの蓄電池設備を設置し、東芝が開発した蓄電池群制御システムにより、平常時には電力需要の調整(デマンドレスポンス)のために東京電力EPが活用、非常時には、通信設備を数日間維持するための防災用電力として横浜市が使用する。VPPとBCP(事業継続計画)電源をパッケージ化した新たなサービスとして構築する。協定締結期間は2016年7月6日から2018年3月31日まで。

また、東京電力エナジーパートナー(東京電力EP)は、国が2017年に目指している、需要家の節電量を小売電気事業者などが売買できる「節電取引市場」においても、蓄電池設備の活用も想定している。同社はこの事業を通じて、同市場の形成にも貢献していく。

バーチャルパワープラント(VPP)構築事業とは、エネルギーマネジメント技術により、地域に散在する再生可能エネルギー発電設備や蓄電池等のエネルギー設備、デマンドレスポンス等の取組みを統合的に制御、あたかも一つの発電所のように機能させる仕組みと、需要家側のエネルギー設備を供給力・調整力等に活用するビジネスモデルの構築を目指す事業をいう。スマートレジリエンスとは、低コストで環境性が高く、災害に強い設備・街づくりを構築する取組みをいう。


YSCPの知見を活かした新しい取り組み

この事業は、特長として「VPPとBCP電源をパッケージ化した新たなサービス」とともに、以下2点があげられている。

エネルギー循環都市を目指す横浜をフィールドとした事業展開

横浜市は、YSCP実証事業を通じたHEMSやBEMS等の積極的導入により、地域レベルでのエネルギーマネジメントを高いレベルで展開している。また、再生可能エネルギー等の分散電源が市内全体の電力使用量の約10%あるなど、最適なフィールドでVPP構築の有効性を検証する。

電力卸市場価格の変動にリアルタイムで追従する高度なIoT技術による群制御

YSCP実証事業で培った蓄電池群制御技術と運用ノウハウを生かし、新たな蓄電池群制御システムを迅速に構築して導入する。本事業では、市場価格変動に連動したリアルタイムでの充放電運転を実現する新たな蓄電池群制御システムを想定している。本システムでは、蓄電池設備、再生可能エネルギーの有効活用に向けて、以下の実現を目指す。

  • 設置環境の特性、季節変動、天候等により変化する充放電可能量の予測に基づく蓄電池制御
  • 複数の蓄電池ごとに異なる充放電量を考慮したポートフォリオ管理・制御
  • 電力システム改革の進展に合わせた柔軟なシステム拡充

※IoT(Internet of Things):物体(モノ)に通信機能を持たせ、インターネット接続することで、自動制御などを行う仕組み。


3者はこれまで、「横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)実証事業」で培った知見を活かし、また、2015年4月に発足した「横浜スマートビジネス協議会(YSBA)」において、防災性、環境性、経済性に優れたエネルギー循環都市の実現に向けて取り組んできた。

YSCP実証事業は2010年に経済産業省から「次世代エネルギー・社会システム実証地域」として選定を受けた取組みで、エネルギー需給バランスの最適化に向け、HEMS(家庭用エネルギー管理システム)太陽光発電電気自動車を導入し実証を進めた。2014年度末に実証を完了している。

今回の事業は、横浜市から民間企業へテーマを示し、そのテーマに対する公民連携事業の提案やアイデア等を募集する仕組み「テーマ型共創フロント」を活用した基本協定の締結により、これまでの取組みを加速させるものである。

【参考】
日本経済新聞 - 横浜市と東電EPと東芝、「仮想の発電所」構築に向け基本協定を締結
東芝 - 「仮想の発電所」(バーチャルパワープラント)構築へ向けた公民一体となった基本協定の締結について

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