香川県は8日、ため池を活用した太陽光発電施設の導入に関する技術や経済性の検証を行うために、2014年度から2015年度にかけて、善通寺市の吉原大池において実施した「ため池を活用した太陽光発電施設実証実験」の結果を報告書に取りまとめ公表した。
この実証実験では、吉原大池において、同一条件の下、太陽光発電パネルの角度やフロート形式、係留方法など、異なる実験設備を3パターン設置。水位変動の対応状況、風・波など気象変動の影響などによる設置機器の性能および発電量などのデーターを収集し、ため池に適した効率的な発電方法や維持管理上の課題等について整理した。
このレポートによると、実証実験期間中の全発電量は22,926kWhで試算値の104.8%だった。期間中の全天日射量は98.3%で平均値を下回ったことなどを総合的に考慮すると、ため池水面がパネルを冷却する効果が確認できた。一方で、陸上部よりも設置コストや維持管理費は増加する傾向だが、ため池を活用した太陽光発電は、机上試算値を上回る発電量が期待できるものと推測している。
パネル角度とフロート形式による比較について
この実証実験では、5度、12度、30度の3形式のパネル角度を設けた。
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