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宮城県の地熱発電所に環境大臣意見 「更新でも温泉・国定公園への影響に注意」

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環境省は28日、電源開発が所有する鬼首地熱発電所(宮城県大崎市)において、出力15,000kWの地熱発電設備を廃止し、新たに出力23,000kW級の地熱発電設備に更新する、計画段階環境配慮書への環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。

環境大臣による意見は下記の通り。

環境大臣の意見は3つ

1. 補充井の掘削等を最小限にすること

施設供用後に、生産井または還元井の機能低下による、補充井の掘削が想定されており、それに伴う追加的な環境影響が懸念される。そのため、当初設置する生産井や還元井は、できる限り長く維持し、施設供用後の補充井の掘削等が最小限となるよう事業内容を検討すること。

2. 国定公園に配慮した計画となるよう、宮城県と調整すること

栗駒国定公園第1種特別地域において新たな敷地造成が計画されているため、「国立・国定公園内の地熱開発の取扱いについて」(環境省自然環境局長通知)の趣旨に沿った国定公園の自然環境や地元に配慮した計画となるよう、宮城県と今後十分に調整すること。また、特定植物群落の改変を回避・極力低減すること。

3. 温泉への影響を回避すること

火山性ガスや温泉の蒸気熱などにより草木の生えない、いわゆる「地獄地帯」を含む温泉の環境監視と併せて適切に調査・予測・評価を行い、必要な関係者に共有すること。また、環境監視の結果、温泉への影響が確認された場合には、その影響を回避する適切な措置を講じること。地熱発電事業の環境影響については十分に解明されていない点もあることから、最新の知見や先行事例の知見を反映すること。


今後、経済産業大臣から事業者である電源開発に対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、事業者は、意見の内容を検討した上で事業計画を決定し、事業段階の環境影響評価(環境影響評価方法書、準備書、評価書)を行うこととなる。

再エネ発電と自然保護の両立を

一般に、地熱発電は再生可能エネルギーの普及に資する重要な発電方法である。一方、この事業の事業実施想定区域(面積:約13.9万)およびその周辺は、栗駒国定公園第1種特別地域に指定され、特定植物群落が存在するとともに、新規造成計画地には自然公園法に基づく指定植物が生育している。

また、この事業の事業実施想定区域およびその周辺には、地獄地帯を含む温泉が位置しており、地熱発電所の事業特性や環境特性上、地熱流体の採取と熱水の還元による地熱貯留層や温泉といった地下資源への影響等、特有の環境影響も含めて懸念される。

これらを踏まえ、事業計画の更なる検討に当たっては、環境大臣意見で示した措置を適切に講ずることにより、対象事業実施区域の設定・地熱発電設備等の配置等について検討すること、また、それらの検討の経緯・内容については、方法書以降の図書に適切に記載することを求めている。

また、環境保全措置の検討に当たっては、環境影響の回避・低減を優先的に検討し、代償措置を優先的に検討することがないようにするよう、言及している。

計画段階環境配慮書とは

環境影響評価法および電気事業法は、出力10,000kW以上の地熱発電所の設置・変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、提出された計画段階環境配慮書について、経済産業大臣からの照会に対して意見を言うことができるとされている。

なお、計画段階環境配慮書とは、配置・構造または位置・規模に係る事業の計画段階において、重大な環境影響の回避・低減についての評価を記載した文書のこと。

【参考】
環境省 - 鬼首地熱発電所設備更新計画に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見の提出

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