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電力を多く使う事業者の電気代が安くなる「賦課金減免制度」改正案まとめ

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電力を多く使う事業者の電気代が安くなる「賦課金減免制度」改正案まとめ

現在の減免の手続き(製造業におけるサーチャージ減免の適用イメージ)
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経済産業省資源エネルギー庁は10日、改正FIT法における賦課金減免制度の見直しが10月1日に施行されることを踏まえ、賦課金の減免の対象となる事業者の省エネの取組み基準等を定めた、改正FIT法政令案等に関するパブリックコメントの募集を開始した。意見募集の期間は9月8日(18時必着)まで。

改正FIT法の成立により、賦課金減免制度については、2016年10月1日に施行されることが定められている。また、改正後のFIT法の運用の詳細を定めるため、FIT法施行令・施行規則の一部を改正する必要がある。今回は、この改正省令案等に対して意見募集を実施するもの。

省令案等の概要は以下のとおり。

「賦課金減免制度」新政令案の概要

賦課金減免のためには電力原単位の推移確認が必要に

今回のFIT法改正で、同法の第17条第1項において、事業者の省エネの取組を確認するため、「事業の電気の使用に係る原単位の改善のために経済産業省令で定める基準に適合する取組を行うもの」が賦課金の減免の申請に係る基準のひとつとなった。

新しい省令案では、これについて、「省エネの取組状況を把握するために必要な措置を講じていること」を要件とするため、「直近5年間の電力原単位(法第17条第1項に規定する「電気の使用に係る原単位」をいう。以下同)の推移について継続的に確認していること」を求めている。このデータを所定の様式で経済産業大臣に報告しなければならない。

また、上記の報告に加え、以下のいずれかの基準を、直近の2事業年度のうち1事業年度以上で満たしている必要がある。

  1. 直近4事業年度の電力原単位の対前年比変化率の平均が年1%以上改善していること。
  2. 上記1に該当しないが、直近の2事業年度連続で電力原単位が悪化しておらず、かつ、直近4事業年度の電力原単位の対前年度変化率の平均が年5%を超えて悪化していないこと。

なお、上記01、02の基準は、同法で規定する電力原単位の変化を判断するものであり、電力使用量に着目したものだが、仮に燃料消費なども含めた観点から「省エネ状況を把握するエネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」におけるエネルギー消費原単位の変化と置き換えた場合は、省エネ法上の「事業クラス分け評価制度」におけるAクラス以上の基準となる。

また、仮に上記の基準を満たさない場合であっても、後述する要件により省エネ法に基づく評価が特に良いなどの場合は、上記の基準と同様であるとみなし、基準に適合するとみなされる。

製造業の関連業種や、鉱業を含む1次産業も対象に

新法の第17条第3項第2号では「事業の種類」に応じて減免額の割合が定める、とされている。今回の「FIT法施行令(※現在意見募集中のもの)」では、「製造業を中心とした、貿易を通じて直接的に国際競争にさらされている事業」だけでなく、間接的にそれらを支える事業についても「我が国の国際競争力の強化を図る」上で減免制度の対象とすることを想定している。なお、直接的に国際競争する事業は、間接的にそれを支える事業より賦課金減免額の割合を高くする予定だ。

新政令では、より高い減免額の対象とする種類の事業を「製造業その他の経済産業省令で定める事業」として規定する予定。製造業に加え、日本標準産業分類の(1)農業・林業、(2)漁業、(3)鉱業・採石業・砂利採取業も追加される。

これらの業種に属する事業者は、財務省貿易統計の輸出品目表、または、実行関税率表(輸入)に記載されている財を生産しており、輸出入を通じて国際競争に晒されていると想定されることから、減免額の割合についても製造業と同等として扱うのが適切だ、と判断されたためだ。

省エネの取り組みが優れていれば、さらに減免!

さらに、賦課金減免の認定を受けた者のうち、省エネの取組の状況が優れている事業者については、賦課金の減免の割合を高く設定される方針だ。

新法の第17条第3項第2号では「当該事業の電気の使用に係る原単位の改善に向けた取組の状況」に応じて政令で減免額の割合を定めることとしている。その上で、減免認定される事業者の、原単位の改善に向けた取組の状況に応じて区分を設けることになっており、その具体的な基準は経済産業省による新政令で定めることとしている。そのため、今回の改正でこの基準が設けられる予定だ。

現在、具体的に、「以下のいずれかを満たすこと」が基準の案として挙がっている。

  1. 直近4事業年度の電力原単位の対前年比変化率の平均が年1%以上改善していること。
  2. 上記1に該当しないが、直近の2事業年度連続で電力原単位が悪化しておらず、かつ、直近4事業年度の電力原単位の対前年度変化率の平均が年5%を超えて悪化していないこと。

一見、先に述べた賦課金減免の認定基準と同様に見えるが、認定される条件については、直近2事業年度のうち1事業年度以上で基準を満たすことが要件である一方、「省エネの取組の状況が優れている」と判断されるには、これらの基準を直近1事業年度で満たすことが要件だ。

また、仮に上記の基準を満たさない場合であっても、下記の要件により省エネ法に基づく評価が特に良いなどの場合は、上記の基準と同様であるとみなし、基準に適合するとみなされる。

基準を満たさなくても認定される条件

上記省令で定められる基準を満たさない場合であっても、以下のいずれかを満たせば同等であるとみなされる。

  1. 省エネ法に基づく「事業クラス分け評価制度」におけるSクラス相当であること。
  2. エネルギー消費原単位の改善に向けた計画を立て、その達成に向けて取り組んでいる事業者等であって、災害や経済環境の変化その他のやむを得ない事情で電力原単位の改善が実現していない事業者として経済産業大臣が認めた者であること。

なお、制度変更に伴い2017年度に係る賦課金減免については、申請開始時期を20日間延長する経過措置を設ける。

具体的には、通常は申請期間が「11月1日から11月末日まで」とするところ、「11月21日から12月19日まで」とする。また、電気事業者へ申し出る期限を1カ月後ろ倒しし、通常は「前年度の2月1日まで」のところ、「前年度の3月1日まで」になる。

【参考】
e-Gov - 電気事業者による再エネ電気の調達に関する特別措置法施行令の一部を改正する政令案

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