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鬼怒川の堤防決壊が発生した茨城県 太陽光発電所の設置ガイドライン策定

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鬼怒川の堤防決壊が発生した茨城県 太陽光発電所の設置ガイドライン策定

茨城県は、太陽光発電施設を設置しようとしている事業者が、市町村や地域の理解を得ながら施設の適正な設置と管理を行うためのガイドラインを策定した。事業者に対して、設置予定地の市町村へ事業概要書を提出し、事前協議を行うことなど求めている。10月1日に施行する。

ガイドラインの対象となるのは、出力50kW以上の事業用太陽光発電施設(建築物へ設置するものを除く)。実質的に同一の事業者が、同時期または近接した時期に、実質的に一つと認められる場所で、複数の発電施設に分割して設置し、合算した出力が50kW以上となる施設(分割案件)も対象となる。

再生可能エネルギー導入が全国的に拡大する一方で、景観や自然環境への影響、安全に対する不安などから、地域住民と事業者との間でトラブルとなる事案が発生している。そこで、茨城県は、市町村の現状や意向を踏まえ、同県における太陽光発電施設の適正な設置・管理のためのガイドラインを策定した。

このガイドラインは、太陽光発電施設の設置に当たっての手続きや、施工に当たって配慮すべき事項等を示し、事業者に自主的な取組みを求めるものである。

ガイドラインのポイントは5つ

1.「設置するのに適当でないエリア」を明示した。

生活環境,景観,防災等の観点から、太陽光発電施設が設置されることにより、甚大な影響が想定される地域などを、本ガイドラインでは原則として「設置するのに適当でないエリア」とした。事業計画の段階で、地域への影響を考慮しながら用地を選定すること。

2.施設の適正な設置のための手続きに沿って進める。

  1. 市町村との事前協議
    工事の着手前に設置予定地の市町村へ事業概要書を提出し、関係法令、地元関係者への説明等について協議する。
  2. 地域の理解促進
    事業計画を地域の関係者に丁寧に説明し、理解を得たうえで工事に着手する。

3.施工に当たって配慮すべき事項に沿って対応する

  • 生活環境、景観、防災・安全対策など
  • 事業者名や緊急連絡先の表示

4.施設を設置した後は、適正な維持・管理、撤去・廃棄に努める

  • 保守点検、災害発生時の対応、緊急連絡先の表示など
  • 事業終了後の撤去・廃棄についても事業計画に位置付け

5.その他の留意事項

すでに工事に着手または発電開始している場合や、10kW以上50kW未満の施設においてもガイドラインの趣旨に沿って、適正な施工や維持・管理に努める。独自に条例やガイドライン等を定めて取り組んでいる市町村に設置する場合、市町村の条例等を適用する。市町村に相談の上、必要な手続きを行うこと。

鬼怒川の堤防決壊事件がきっかけに

茨城県では、「いばらきエネルギー戦略」において太陽光発電など、環境負荷の少ない再生可能エネルギーの積極的な導入拡大に努めてきた。県内の市町村においては、耕作放棄地やゴルフ場跡地等の地域資源の活用策と位置付け、太陽光発電を積極的に導入している例もある。

しかし、太陽光発電施設の設置・運営そのものに関する法令・基準等がなく、また、自治体や住民に知らされないまま工事が進められるなどにより、景観や生活環境の問題、土砂流出などの安全に対する不安等から、県内各地域で住民と事業者との間でトラブルとなる事案が発生している。

茨城県常総市若宮戸地区では、昨夏、記録的な豪雨によりで鬼怒川が氾濫した。これについて、川沿いに太陽光発電を設置した事業者が自然堤防を掘削したことが原因のひとつとなったのではないか、という声が住民などからあがった。

また、同県つくば市では、昨年、筑波山中腹において、4件の大規模な太陽光発電設備の建設計画が明らかになった。筑波山の景観、森林伐採による環境破壊、土砂災害が懸念されることから、同市は計画の中止を求めて対策を行ってきた。

このような中、国は改正FIT法により、認定情報の公表や事業実施中の点検・保守など地域との共生を図るための適切な事業実施等について規定し、2017年4月から施行することとしている。

茨城県のガイドラインでは、太陽光発電施設の適正な設置・管理フローを、現行制度と改正制度(2017年4月1日以降)に分けて、このガイドラインで追加する内容を示している。

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