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北海道の風力発電事業2件に環境大臣意見 希少猛禽類のため、1基は設置中止

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環境省は6日、北海道で実施予定の「(仮称)八の沢風力発電事業」および「北檜山ウィンドファーム事業」に係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。

環境大臣意見では、「(仮称)八の沢風力発電事業」に対しては、希少猛禽類のチュウヒに対する重大な影響を回避するため、1基については設置の取りやめを含む抜本的な見直しを行うこと、また重要な水生動物も生息する溜め池等の水環境を保全するため、仮設沈砂池等の配置等、工事計画の詳細設計を検討すること等を求めた。

「北檜山ウィンドファーム事業」については、住居への風車の影による影響を低減、また、希少猛禽類のオジロワシ等の移動ルートを確保するため、風力発電設備の配置の再検討等を求めている。

今後、事業者は、環境大臣および関係自治体の長の意見を受けた経済産業大臣勧告を踏まえ、法に基づく環境影響評価書の作成等の手続きが求められる。

「(仮称)八の沢風力発電事業」に対する大臣意見の概要

この事業は、斐太工務店(愛知県名古屋市)が北海道石狩市八幡町において、総出力21,000kW(定格出力3,000kW級の風力発電設備7基)の風力発電所を設置するものである。

この事業による風力発電設備の設置に伴い、事業実施区域・周辺では、生息・繁殖等が確認されている、環境省レッドリスト2015において絶滅危惧IB類に位置付けられているチュウヒ等の希少猛禽類/河川・溜め池等/住居、への環境影響が懸念される。

河川・溜め池等については、エゾホトケドジョウ等の重要な水生動物が確認されておりいることから、工事中の排水による水環境および水生動物に対する影響が懸念されるが、準備書において、仮設沈砂池等の配置等を含む工事計画の詳細設計が示されていないと指摘する。

環境大臣意見では、この事業の風力発電設備の設置による、希少猛禽類の移動経路の阻害、衝突事故等の重大な影響を低減するため、設置の再検討等の環境保全措置を講ずること、工事計画の詳細設計、仮設沈砂池等の配置等および流末処理の方法等を十分に検討すること、周辺の住居における風車の影による影響を極力低減すること等を求めている。

チュウヒに対する対策では、前述のとおり、1基については、設置の取りやめを含む抜本的な見直しを行うこと、また、2基についても、専門家等からの指導・助言を踏まえ、配置の再検討によるチュウヒの重要な生息地からの離隔の確保、工事時期の調整および繁殖期における稼働制限等の環境保全措置を適切に講ずることとしている。

「北檜山ウィンドファーム事業」に対する大臣意見の概要

この事業は、エコ・パワーが、北海道久遠郡せたな町において、最大で総出力72,000kW(定格出力3,400kWの風力発電設備21基)を設置するものである。

風力発電設備設置予定位置の近隣には複数の住居が存在しており、風力発電設備の稼働に伴う騒音等および風車の影による重大な影響が懸念される。また、対象事業実施区域およびその周辺では、オジロワシ等の希少猛禽類の生息が確認されているほか、対象事業実施区域の周辺には、ミサゴ、ハチクマ等の希少猛禽類の営巣が確認されている。

そこで、環境大臣意見では、風力発電設備の配置の再検討および低騒音型の風力発電施設の採用等の環境保全措置を講ずること、オジロワシ等の移動ルートを確保するため、配置の再検討を行うこと等を求めている。

風車の影による環境影響については、風力発電設備の設置前に、風力発電設備の配置の再検討・機種の検討を行うとともに、影響が懸念される天候、季節および時間帯には一部の風力発電設備の稼働を停止すること等により極力低減することとしている。

環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について

環境影響評価法および電気事業法は、出力10,000kW以上の風力発電所の設置・変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、事業者から提出された環境影響評価準備書(※)について、経済産業大臣からの照会に対して経済産業大臣に意見を言うことができるとされている。本件は、北海道の「(仮称)八の沢風力発電事業」および「北檜山ウィンドファーム事業」に係る環境影響評価準備書について、この手続きに沿って意見を提出するものである。

※環境影響評価準備書
 環境影響評価の結果について環境の保全の見地からの意見を聴くための準備として、調査、予測及び評価、環境保全対策の検討を実施した結果等を示し、環境の保全に関する事業者自らの考え方を取りまとめた文書。

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