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NEPC、小水力発電の製品・融資・保険などの調査レポートを公開

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一般社団法人新エネルギー導入促進協議会(NEPC)は、小水力発電の導入・普及の促進に向け、汎用製品や海外製品、融資・保険等に関する実態調査を行った結果の概要を公表した。

この「平成27年度 小水力発電の導入促進に係る調査業務」では、小水力発電事業において、特に初期投資に占める割合の大きい設備投資コストを低減するため、「(1)汎用製品の活用について調査・検討」するとともに、「(2)海外製品の実態について国内製品と比較・調査」を行い、その活用法について分析・評価した。さらに、小水力発電事業の導入・促進のため、「(3)小水力発電事業における融資等や保険に関する実態調査」を実施し、発電事業者・金融機関も利用できるファイナンス面での対応手法などの調査・検討を行った。

小水力発電の導入促進に係る調査業務 結果概要

(1)汎用製品の活用に関する調査検討

事業費用において比較的占有率の高い水車・発電機などの電気設備費用が、オーダーメイド水車形式同等の水車効率を確保した性能でコストダウンが可能になれば、事業収支が改善し、導入促進に繋がるものと考えられる。

一方で、水車効率の低下をある程度許容し、既成品化・量産化を進め、オーダーメイド水車において抑制が難しかった費用を削減するなど汎用製品の価格メリット向上に向けた水車メーカーの価格競争力をあげる努力が必要となる。

これには、中長期的な水車導入市場を確保し、事業者・水車メーカーなど関連するプレイヤーがリスクマネー低減に向けたお互いの協力・努力が必要と考えられる。

(2)海外製品の実態調査

今回、調査対象とした海外メーカーは、日本への導入実績は少ないものの海外展開に意欲のあるメーカーとなっており、条件さえ整えば日本への導入も問題ないとする会社が多い。

また、ヨーロッパの水車に関しては、最新の技術の導入も行いながら歴史のある製作技術を守り、高効率な水車を提供し続けている。これからは、国産品よりも安く、効率の良い水車・発電機が生産されていくものと思われる。

これらを踏まえると、日本において海外製品の活用により導入は促進する可能性があるが、維持管理・メンテナンスの面において課題があり、日本の水車メーカーや電気工事会社の技術者が、海外製品のアフターフォローができるよう教育していく必要がある。

また、電力会社との系統連系の基準など制度面での改善も必要となるケースがあるものと思われる。

(3)導入・促進に資するファイナンス面での対応手法等の調査

発電事業者は、融資以外の方法も含め、ファイナンス面での対応を検討する必要があるか、発電事業者にどのようなニーズがあるか、金融機関はそうしたニーズをどのように見ているか、金融機関における融資等の判断基準や金融機関が必要と考えるデータ等について、取りまとめた。

また、ヒアリング等の結果も踏まえ、発電事業者および融資の出し手である金融機関にも利用可能な融資評価フローや各種事業リスクに対する保険等の活用法についてもまとめている。

小水力発電促進のポイントは6つ

まとめでは、これまでの調査・検討結果を踏まえ、小水力発電導入促進に向けた対応の方向性を整理した。そのポイントとして、以下をあげている。

  1. 発電事業者を支援する小水力発電開発に必要な専門知識を有する外部機関、有識者の知見を活用できる環境の整備
    経済産業省が本年度から実施している再エネコンシェルジュ事業、山梨県などの一部地方自治体が設置している相談窓口はこの機能を果たしている。
  2. 金融機関の融資判断を支援する制度の整備
    再エネコンシェルジュ事業、環境省の平成27年度地域金融機関等に対する低炭素化プロジェクトの研修等委託業務はこの機能を果たしている。
  3. 事業開始前の調査等に要する費用負担を軽減する補助制度の整備
    平成28年度経済産業省が実施する水力発電事業化促進事業費補助金は、これを狙いとしている。
  4. 関係者間での適切なリスクシェアを図った事例の共有
  5. 小水力発電関係者が新たな発電所建設計画を立案・評価する際に、参照できる開示された既存小水力発電所の運転記録(トラックレコード)の共有
    小水力発電関係4団体が来年度開設を目指しているポータルサイトは、04と05のような情報提供機能を果たしうると期待している。
  6. 海外製品を導入した場合の保守体制の整備
    こうした保守体制が整備されると、運転停止によるリスクが軽減され、金融機関の融資判断にもプラスの影響を与えるものと期待される。

この調査事業「平成27年度 小水力発電の導入促進に係る調査業務」は、三菱総合研究所と新日本コンサルタントが実施した。調査期間は2015年11月16日~2016年3月10日。

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