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全国の水道施設に小水力発電を導入したら、売電収入は年間53億円 政府が試算

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全国の水道施設に小水力発電を導入したら、売電収入は年間53億円 政府が試算

環境省と厚生労働省は13日、水道施設への小水力発電の導入ポテンシャル調査において、導入可能性の高い全国563カ所について二次調査を実施した結果、発電出力の総量は約1万9,000kWで、発電出力が20kW以上の地点は全国で274カ所あったと発表した。

発電出力に対する発電電力量は総計1万5,800万kWh、実排出係数を乗じて算出したCO2排出削減量は総計9,200tとなった。

発電電力量の総計1万5,800kWhに対して、全量を売電した場合の売電収入は、2015年度の水力発電の調達価格を乗じて総計53億5,100万円、全量を自家消費した場合の購入電気代の削減額は、一般電気事業者の高圧電力A(500kW未満)の単価を乗じて総計22億6,500万円となった。

ポテンシャル調査の概要

両省は、2015年度に全国1,500以上の水道事業者等を対象に、水道施設における小水力発電の導入候補地の選定や導入規模などを調べるアンケート調査(一次調査)を実施した。

今回の調査では、一次調査では得られた「流量」、「落差」などを基に試算を行い、各施設の小水力発電の導入ポテンシャルを算定。その結果を基に導入可能性の高い、ポテンシャルが20kW以上の施設についてより詳細な二次調査を実施した。二次調査では施設情報等の収集、実流量・水位に基づく発電出力の算定、想定発電電力量の算定、導入効果の試算、施設カルテの作成を行った。北海道、東北、関東、中部、近畿、中四国、九州の7ブロック別に調査結果もまとめている。また将来的に導入した場合の利点や導入における課題なども示した。

小水力発電を導入するメリット・課題

水道施設に小水力発電を導入するメリットとしては、河川に比べ、(1)発電量の変動が少なく、安定的・効率的な発電が可能、(2)水に不純物が少なく管理された水を利用するため、運転・メンテナンスが容易、であることをあげる。これまでの課題としては、(1)発電機1台の発電規模が小さく発電コストが高い、(2)施設の設置スペースが狭く発電設備が大きいため、導入可能な場所が限定される、ことをあげる。環境省では、これらの課題に対応した発電機等の開発・実証事業に取り組んできた。また、水道施設への小水力発電設備等の再エネ設備や、ポンプへのインバータ等の省エネ設備の導入を支援する事業を厚生労働省と連携して実施している。

実は無駄な圧力差(エネルギー)がある

水道施設(おもに導・送・配水施設)で、標高の高い場所から配水池等へ水を流す場合などには、その圧力差がエネルギーとして利用されずに失われている。

これらのエネルギーを有効活用する小水力発電を導入することにより、二酸化炭素の排出量が削減されるとともに水道事業におけるエネルギーコストの低減による経営の効率化につながるものと考えられる。しかし、現在、小水力発電を導入している水道施設は全体の2.7%と低い状況にある。

また、環境省では、2015年度から3カ年の委託事業として、従来の小水力発電と比較し、より低コストで高効率、コンパクト化を主眼においた「管路用マイクロ水力発電システム」を開発し、富山県南砺市と福島県相馬市で、実証実験を経て実用化に至っている。

今後、小水力発電の導入が大幅に拡大することが期待されるため、全国における導入ポテンシャルを算定し、水道事業者などが小水力発電の導入検討を行うにあたって参考となる事項について調査を実施することになった。

水道施設への小水力発電 導入ポテンシャル調査(二次調査結果集計(ブロック別))

ブロック 二次調査対象地点数 (1)のうち、協力が得られた地点数(2) (2)のうち20kW以上の地点数(3) (2)の地点の発電出力合(kW)(4) (4)の発電出力に対する発電電力量(kWh/年)(5) (5)に対応するCO2削減量(t-CO2/年)
北海道 81 62 24 2,418 19,854,614 13,561
東北 89 56 25 1,922 16,565,210 9,459
関東 145 83 65 4,891 42,244,937 21,334
中部 140 103 39 2,438 20,804,441 11,209
近畿 143 69 38 2,353 19,785,401 10,506
中四国 151 99 40 2,455 20,796,810 14,480
九州 146 91 43 2,266 18,427,165 11,840
全国 895 563 274 18,742 158,478,578 92,389

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