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電力・ガス産業を取り巻く環境はこうなる―― 経産省で検討開始

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経済産業省は18日、電力・ガス基本政策小委員会(第1回)を開催し、電力・ガス分野を中心としたエネルギー産業の中長期的なあり方・競争力の強化の方策についての議論を開始した。

エネルギー産業が日本経済における成長戦略の基盤として最大限効果を発揮するための施策や、エネルギー産業を国際的にも競争力のあるものとしていくための政策課題等について幅広く検討していく。電力・ガスそれぞれの産業の在り方をテーマとし、概ね2030年までを想定しながら議論を進める方向性が示されている。

第1回の議論を皮切りに、次回以降、将来像の検討の切り口として、諸外国や他産業の詳細レビューや、電力インフラにおけるIoTの活用等のデジタル化の促進など具体策について検討を進めていく。

電力・ガス産業を取り巻く環境の変化

資料として、「電力・ガス産業の将来像~システム改革後の電力・ガス産業の在り方~」が提示された。電力・ガス産業を取り巻く状況は、中長期的には、以下のような環境変化が見込まれる。

  1. 少子高齢化・人口減少により、国内の電力・ガス需要が伸び悩む一方、電力・ガス産業も含め、日本経済の成長への下押し圧力が増す。加えて、サイバー攻撃の高まりなど、電力・ガス事業の経営リスクは更に高まる。
  2. 一方、IoTやAIといった技術革新を活用した新サービスや、グローバル市場、自由化による新たな国内市場など、成長への新たな市場ポテンシャルも存在。
  3. 加えて、分散化・自由化・技術革新等により、電力・ガスビジネスのバリューチェーン(付加価値の力点)自体が変容していく可能性を秘めている。例えば電力については、発電・送配電・小売といった事業セクターの概念も変わりうる可能性を秘めている。

資料では、こういった電力・ガスの需要・料金の推移など業界を取り巻く状況や、新時代を見据えた変革の動きについてまとめている。変革の動きでは、国内外の発電分野・ガス会社のグローバル展開の状況や、地域に根ざした小売電気事業者・ガス事業者の事業内容等を紹介している。

また、デジタル化の取り組みとして、電力インフラにおけるIoTの活用や、遠隔監視によるガスタービンの予兆診断(三菱日立パワーシステムズ)、ドローンを使った送配電や鉄塔の巡視・点検(東芝)、ディスアグリゲーション技術による新ビジネス(インフォメティス)、インターネットに接続可能な携帯端末を使用し、開栓作業結果を報告する東京ガス開発のシステムなどを取り上げている。

なお、ディスアグリゲーション技術とは、分電盤に小さなセンサーを設置し、全体を分離・ラベル付けし、家電分離データを生成することで、家庭で「どの家電が」、「いつ」、「どれくらい」使用されているかが推定できる技術。この技術を活用することで、スマートな電力情報インフラ構築(デマンドレスポンス余力把握や行動誘発型ピークシフト)や消費者の便益(=新サービス機会)創造が期待される。

検討対象の時間軸

2016年度冬季の電力は安泰

この小委員会では、これまで電力需給検証小委員会において検討が行われてきた、電力需給対策の基礎となる電力需給の見通し等についても検討を行う。今回の小委員会では、2016年度夏季の電力需給実績および2016年度冬季の電力需給見通しについて、電力広域的運営推進機関から報告を受け、審議を行った。

2016年度冬季の電力需給見通しは、全エリアで電力の安定供給に最低限必要な予備率3%以上を確保できる見通しで、今夏に引き続き、政府からの特別な節電要請は行う必要はないという方針案が示された。

今回は、このほか、電力小売りの全面自由化に関する進捗状況や、ガス小売りの全面自由化に向けた検証の進め方・事前準備の進捗状況、一般送配電事業者による「調整力」公募に関する状況等について報告・検討が行われた。

電力・ガス基本政策小委員会は、電力・ガス分野の幅広い政策課題について、安全性、安定供給、経済効率性、環境適合というエネルギー政策の基本的視点から総合的な検討を進めるため、電力基本政策小委員会とガスシステム改革小委員会を統合し、総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会の下に設置された委員会。

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