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温室効果ガス排出量の算定方法のガイドライン IPCCが作成開始

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地球温暖化に関する科学的知見を提供している、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、10月17日~20日、タイ・バンコクにおいて第44回総会を開催した。

今回の総会では、「1.5℃の地球温暖化」をテーマとする報告書(1.5℃特別報告書)および「温室効果ガスインベントリ(目録)に関する方法論報告書」(方法論報告書)のアウトライン(章立て等)等が決定された。方法論報告書は、各国の温室効果ガス排出量の算定方法に関するガイドラインとなるものである。

環境省が、その主な決定事項をとりまとめ報告している。概要は以下の通り。なお、報告書のタイトルや章立て等の和文は暫定訳であり、今後変更の可能性がある。

1.5℃特別報告書のアウトライン

タイトルは「1.5℃の地球温暖化:気候変動の脅威への世界的な対応の強化、持続可能な開発及び貧困撲滅への努力の文脈における、産業革命以前の水準から1.5℃の地球温暖化による影響及び関連する世界の温室効果ガス(GHG)排出経路に関するIPCC特別報告書」とする。

章立ては以下の通り。

  • 前付け(2頁)
  • 政策決定者向け要約(ヘッドラインステートメント、図表含めて10頁以内)
  • 第1章:枠組みと文脈(15頁)
  • 第2章:持続可能な開発の文脈において1.5℃と整合する緩和経路(40頁)
  • 第3章:自然及び人間システムにおける1.5℃地球温暖化の影響(60頁)
  • 第4章:気候変動の脅威に対する世界的な対応の強化と実施(50頁)
  • 第5章:持続可能な開発、貧困の撲滅及び不平等の削減(20頁)
  • 統合的な事例研究/地域的及び分野横断的なテーマに関する囲み記事(20頁以内)
  • よくある質問と回答(10頁)

今後は、執筆者の政府推薦期間(2016年10月31日~12月11日)を経て、IPCCにより執筆者が選定され(2017年1月)、執筆者会合や、そこで作成された草案の専門家/政府査読を経て、IPCC第48回総会(2018年9月)において報告書が承認される予定。

方法論報告書のアウトライン

タイトルを「2006年IPCC国別温室効果ガス インベントリ ガイドラインの2019年改良(refinement)」とする。フォーマットは、2006年ガイドラインに合わせ、概観の章と5つの部(volume)から構成される単一の報告書とする。

改良作業は2006年IPCCガイドラインを改訂するものではなく、更新・追加・精緻化するものである。2019年改良は2006年IPCCガイドラインを置き換えるものではなく、2006年IPCCガイドラインとともに使用される。

今後は、執筆者の政府推薦期間(2016年11月)を経て、IPCCにより執筆者が選定され(2017年2月)、執筆者会合や、そこで作成された草案の専門家/政府査読を経て、IPCC第49回総会(2019年5月)において報告書が承認される予定。


今回の総会には、125カ国の代表、世界気象機関(WMO)、国連環境計画(UNEP)等の国際機関等から計約300名が出席した。日本からは、文部科学省、農林水産省、林野庁、経済産業省、気象庁、環境省などから計15名が出席した。

2017年4月に開催される第45回総会(場所未定)において、「気候変動、砂漠化、土地の劣化、持続可能な土地管理、食料安全保障及び陸域生態系における温室効果ガスフラックスに関する特別報告書」および「気候変動と海洋・雪氷圏に関する特別報告書」のアウトラインを決定する予定。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)とは

IPCCは、1988年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)により設立された組織。人為起源による気候変化、影響、適応および緩和方策について、世界中から研究成果を集め、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行い、各国政府に助言することを目的としている。IPCCの報告書は、地球温暖化に関して、科学的知見を提供する文書として、気候変動枠組条約の交渉においても大きな影響力を持っている。

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