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超小型熱電併給、余熱利用… 貴重なデータ満載、バイオマス活用事業のレポート

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超小型熱電併給、余熱利用… 貴重なデータ満載、バイオマス活用事業のレポート

栃木県は、バイオマスによる熱供給事業を核としたスマートコミュニティの構築に向け選定した、中山間地域においてモデルとなる3つのプロジェクトの事業可能性調査のレポートを発表した。

選定したプロジェクトは、那珂川町の「農業施設での木質チップボイラーの余熱利用」、栃木市の「温浴施設等への超小型熱電供給バイオマス設備導入」、さくら市の「耕作放棄地を活用し栽培したバイオマス燃料の熱利用」。

事業計画、導入設備、投資回収の試算まで

那珂川町の事業は温水活用による観光型農業創出モデルで、木質チップボイラーの余熱を野菜温室等で利用し、マンゴーなど南国フルーツ等の高付加価値農産物を生産・販売。観光型農業の創出を目指すもの。

栃木市の事業は公共施設群における熱電併給モデル。超小型熱電供給バイオマス設備を導入し、温浴施設など公共4施設へ熱と電気を供給し、化石燃料からバイオマス燃料への転換と施設全体での省エネを図る。

さくら市の事業は官民連携による燃料用作物栽培モデルで、民間主体で耕作放棄地で資源作物エリアンサスを栽培しペレット化し、さくら市が公共温泉施設のペレットボイラーに導入するもの。将来的には、農業用ハウスなど他施設へペレットボイラーを導入する。

必要な電気・熱量から、必要な木質チップ・間伐材の量を算出した

必要な電気・熱量から、必要な木質チップ・間伐材の量の量を算出した

今回公開されたレポートでは、上記3つのプロジェクトにおける、各施設の現在の消費熱量や電力量、導入する具体的な設備の名前・性能まで挙げ、それぞれに対する事業計画、収支予想まで算出されている。

レポートでは各施設に導入する設備の配置まで検討されている

レポートでは各施設に導入する設備の配置まで検討されている

超小型熱電供給バイオマス設備「VOLTER40」

超小型熱電供給バイオマス設備「VOLTER40」

例として、栃木市のプロジェクトでは、以前環境ビジネスオンラインでも取り上げたフィンランドの超小型熱電供給バイオマス設備「VOLTER40」を導入し、年間656MWhの電力と1,410Mcalの熱を地産地消することが可能との試算結果を出している。

総事業費の3分の2を補助金で賄うことができれば、想定する投資回収年月は14年間だ。民間企業での事業性は厳しいが、エネルギーの地産地消、森林の整備、資金の地域内循環や地方活性化を促すことができる。これらのことから、レポートは公共施設先導での実施が望まれる、と結論付けている。

バイオマス利用でスマートコミュニティを

栃木県は、2014年3月に『とちぎエネルギー戦略』を策定し、省エネルギー、再生可能エネルギーおよび分散型エネルギー施策に係る目標を掲げ施策を展開している。その一つとして、地域単位でエネルギーを有効利用する「スマートコミュニティ」の構築促進がある。

今回の調査は、「中山間地域スマートコミュニティ導入支援事業」として、地域資源の有効活用、低炭素化および地域活性化を目的に、バイオマスによる熱供給事業を核としたスマートコミュニティの構築を促進するために実施した。

まず、県内対象地域の基礎情報より総合的な評価を行い、有望な地域を絞る込むために、自治体に直接ヒアリングを行い、現地を確認する作業を行った。続いて、安定した熱需要、地域での波及効果や市町の意欲などを考慮し、中山間スマートコミュニティのモデルとなる3プロジェクトを選定し調査を行った。調査実施者はランドブレイン(東京都千代田区)。

今後は、県はそれぞれの地域の特性に合わせ事業化に向け支援する。具体的な県の支援内容として、関係機関との協議の場の設定、活用可能な補助制度の導入支援、関連法規の申請書類作成段階での助言をあげる。

なお、事業者を公募により選定することが望ましいとされた、栃木市に係る事業者の公募は年内を予定している。

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