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「気候風土をうまく利用し、環境負荷を低減した住宅」 国交省が選ぶベスト3

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国土交通省は、14日、「サステナブル建築物等先導事業(気候風土適応型)」において、伝統的な工法と地域の気候風土を活用しつつ環境負荷低減を実現するモデル的な住宅として、3件のプロジェクトを採択したと発表した。

同事業は、地域の気候風土に応じた木造建築技術の継承・発展と、低炭素社会の実現に貢献するため、伝統的な住文化を継承しつつ、環境負荷の低減を図るモデル的な住宅の建設に対して、国が掛かり増し費用の一部を補助する事業。第1回目の公募は8月2日~9月15日の期間実施され、計5件の応募があった。

採択にあたっては、下記の点について審査が行われた。

  1. 地域の気候風土に応じた木造建築技術を活用しているか。
  2. 現行の省エネルギー基準ではただちに評価が難しいが、環境負荷低減に寄与すると考えられる対策が講じられているか。
  3. 01、02の実施の程度を踏まえ、伝統的構法の承継に配慮しつつ、サステナブルな社会の形成に向け、長期耐用性や省エネルギー等の環境負荷低減効果が高い水準で期待される先導的な事業提案であるか。

3件の採択事業の概要と、評価内容は下記のとおり。

1.有松の家(トヨダヤスシ建築設計事務所)

愛知県名古屋市、二階建て、延べ面積150.75平方メートル。

重要伝統的建造物群保存地区にある木造住宅を解体し、一部を復元・一部を新築する計画であり、伝統的な建築物の保存再生における地域の気候風土への適応を図った事業。復元部分(新築扱い)は、一般的には外皮基準に適合させることが困難な縁側、土塗壁、竿縁天井、土間を、従前のものを復元する形で採用している。また、環境負荷低減に寄与するものとして、地場製作の多層構成の木製建具、構造材の再利用、暮らし方の工夫(窓の開け閉めの励行)などの対策を講じる。併せて、深い軒庇、土塗壁外壁及び内外建具における断熱補強措置などの省エネルギー化の工夫を図っている。一方、新築部分は、改修部分と調和する伝統的な意匠性を保ちながら、平成28年省エネ基準に適合する計画となっている。

2.(仮称)松山の家(西渕工務店)

愛媛県松山市、二階建て、延べ面積136.65平方メートル。

土塗壁による木造軸組工法の住宅の新築計画であり、現代風の空間構成を形成しつつ、地域産材、伝統的な壁構法の採用等により、地域の気候風土への適応を図った事業である。一般的には外皮基準に適合させることが困難な土塗壁、地場製作の木製建具を採用している。環境負荷低減に寄与するものとして、多層構成の建具、手刻み加工、地域産材の使用(木材、土、藁、シュロ等)、地域大工の登用・育成などの対策を講じている。併せて、深い軒庇、屋根・床の断熱構造化(再生断熱材を使用)などの省エネルギー化の工夫を図っている。

3.雑木の庭に建つ石場建ての家(綾部工務店)

埼玉県川越市、一階建て、延べ面積107.41平方メートル。

土塗壁による木造軸組工法の住宅の新築計画であり、地元の大工・職人の登用、伝統的な木組み・壁構法の採用等により、地域の気候風土への適応を図った事業である。一般的には外皮基準に適合させることが困難な土塗壁、開放的な床下(石場建て)、地場製作の木製建具を採用している。また、環境負荷低減に寄与するものとして、多層構成の建具、庭の植樹、暮らし方の工夫(すだれ・よしずの利用、窓の開け閉めの励行)、地域産木材の使用、地元の大工・職人の登用などの対策を講じている。併せて、深い軒庇、多様な窓(地窓、高窓など)による通風促進、外壁(土塗壁の外側)・屋根・床の断熱構造化(自然素材系断熱材を使用)などの省エネルギー化の工夫を図っている。

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