> > 東京電力、電力市場の相場を不当につりあげ 約30%上乗せされたケースも

東京電力、電力市場の相場を不当につりあげ 約30%上乗せされたケースも

記事を保存

電力・ガス取引監視等委員会は17日、東京電力エナジーパートナーに対して、4月1日から8月31日まで、小売電気事業者などが電力を調達する電力市場において、不当に高い価格で売り入札を行い相場をつりあげていたとして、業務改善勧告を行った。

同社は、卸電力取引所の、翌日に受渡する電気の取引を行う一日前市場(スポット市場)において、平日の昼間の時間帯の受渡に係るコマ(平日昼間のコマ)に対して、市場相場を人為的に操作する目的で価格を設定し、売り入札を行っていたと判断された。この市場では、一日を30分単位に区切った48商品(コマ)について取引を行っている。

同委員会の調査で、仮に、同社が正当な価格で売り入札を行っていた場合、平日昼間のコマの約6割で、約定価格(東京エリアプライス)が下落するものと認められた。また、約定価格が約3割下落すると認められるコマもあった。

同社のように多くの電源を確保する事業者が、このような行為を行うことは、他の事業者が、スポット市場から必要な供給力を適正な価格で調達し、小売市場に新規参入すること、または小売市場において事業を維持・拡大することを阻害するものであり、電気事業の健全な発達を害するものと糾弾している。

発電に必要な価格「限界費用」で設定していなかった

東京電力エナジーパートナーは、同期間、スポット市場において、平日昼間のコマにつき売り入札を行う場合に、「閾値」(しきいち)と称する同社の小売料金の原価と同等の水準の月毎の固定の価格を、売り入札価格の下限価格として設定していた。

具体的には、平日昼間のコマにおいて、同社の各コマにおける具体的な限界費用(売り入札対象となる発電余力のある発電機を発電に要する可変費が低い順に追加発電し、または稼働させた場合の追加発電に係る可変費(円/kWh))に基づく価格よりも「閾値」が高い場合には、「閾値」を売り入札価格として売り入札を行っていた。

同委員会の調査によると、期間内の「閾値」は、同社の各コマにおける具体的な限界費用からは大きく乖離した高い価格であり、同社は、平日昼間のコマのほとんど全てにおいて、「閾値」を売り入札価格とした売り入札を行っていた。

これに加え、同委員会は、同社が「閾値」を売り入札価格とすることにより、スポット市場における約定価格をつり上げる可能性があること等を認識していながら、組織的に反復継続して「閾値」を売り入札価格としていた、さらに、同社の小売料金の原価と同等の水準以上の価格となるように市場相場を人為的に操作することを目的としていたとみられると、指摘する。

「閾値」を売り入札価格とする売り入札を行うことは、「市場相場を変動させることを目的として市場相場に重大な影響をもたらす取引を実行すること」(適正な電力取引についての指針の相場操縦)に該当すると判断した。

なお、同社は10月上旬に「閾値」を売り入札価格とする売り入札を行うことを取りやめたとのことだが、同委員会は、再発防止を徹底する観点から、同社に対し、電気事業法の規定に基づき、業務改善勧告を行った。勧告では、「閾値」を用いた売り入札価格の設定を今後行わないことや、その具体的な措置について、12月16日までに報告することを求めている。

同社は、業務改善勧告に対して、卸電力取引市場における相場操縦の意図は一切なかったが、適切に対応していくとしている。また、本年4月より休日・夜間の売り入札における下限の価格(閾値)を自主的に撤廃し、10月には平日昼間も含め全面的に撤廃していると説明している。

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.