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日本の「環境基本計画」、おおむね順調 循環型社会の構築などは見直しも必要

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環境省の中央環境審議会は、政府の環境施策の方向性を示した、第四次環境基本計画に基づく施策の進捗状況などを点検した結果を取りまとめ、11月25日の閣議に報告した。

点検結果では、この計画を基本として進められている日本の環境保全に関する取組や、東日本大震災と原子力発電所事故によって新たに加わった放射性物質による環境汚染からの回復等に関する取組は、概ね進捗しているものの、今後の課題として取組の改善を図ることが必要な状況も一部に見られたと指摘する。

社会的、経済的な情勢について、近年、「パリ協定」を踏まえた世界の潮流等、今までにない急速で重要な変化が生じており、これらは、今後予定されている計画の見直しにおいては重要な前提条件となると捉えている。

また、見直しに当たっては、環境政策が環境面の課題解決だけでなく、人口減少・少子高齢化がもたらす産業の衰退や市街地の拡散等の諸問題を同時に解決できる可能性をもつことを認識すべきだと言及。そのために、個別分野の環境政策や他領域の政策が相乗効果を発揮するよう、低炭素、資源循環、自然共生政策の「統合的アプローチ」を目指しつつ、政策連携を図っていくべきだとした。

同審議会によるこの点検は、第四次環境基本計画(2012年4月閣議決定)の着実な実行を確保するため、2013年より毎年実施しているもので、今回(2016年)は第4回目。なお、同計画は、策定後5年間が経過した時点(2016年)を目途に計画内容の見直しを行うこととされており、今回は同計画の最後の点検となる。2017年は計画内容の見直しを実施する予定。

このため、今回の報告書では、施策の進捗状況を確認するとともに、同審議会が指摘する事項が、各分野における諸課題の改善のみならず次期計画の策定に資するものとなるよう、総合的な見地から今後の課題等の記述を行っている。

「パリ協定」を踏まえた国際的な取組の推進など

環境省は、点検結果による主な今後の課題として3点をあげる。

一つ目は「地球温暖化に関する取組」。パリ協定の採択および発効を受け、今後は、各国による「貢献」の着実な実施が重要である。国内の取組の推進はもとより、国際的な詳細ルール作りや途上国の能力向上支援への積極的な関与を通じ、世界全体の地球温暖化対策の推進に貢献していくべきだとした。

二つ目は「国際情勢に的確に対応した戦略的取組みの推進」。次期計画の検討に当たり、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核となる「持続可能な開発目標(SDGs)」を踏まえたものとすることが必要だとしている。

三つ目は「物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組」。循環型社会形成に向けた取組みを経済・社会課題として扱い、2016年5月のG7環境大臣会合で合意された富山物質循環フレームワークを踏まえ、循環型社会の形成が雇用創出や経済成長、地域の活性化等に繋がるよう、取組を強化すべきだとした。

総合的環境指標も活用し重点分野等を点検

今回の点検は、第2回点検(2014年)において点検を行った重点分野等について、中央環境審議会の指摘した事項に関するものも含め、その後の施策の進捗状況を点検したものである。

具体的には、同計画で取り上げている9つの重点分野のうち、事象横断的な重点分野である「経済・社会のグリーン化とグリーン・イノベーションの推進」、「国際情勢に的確に対応した戦略的取組の推進」および「持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり、基盤整備の推進」の3分野、ならびに事象面で分けた重点分野である「地球温暖化に関する取組」、「生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する取組」、「物質循環の確保と循環型社会の構築のための取組」および「包括的な化学物質対策の確立と推進のための取組」の4分野を重点点検分野とするとともに、「放射性物質による環境汚染からの回復等」についても対象とした。点検に当たっては、環境の状況、取組の状況等を総体的に表す指標(総合的環境指標)も活用しつつ、同計画の進捗状況について現状を明らかにした。

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