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「洋上風力は先行事例を参照せよ」 3つの風力発電事業に環境大臣意見

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環境省は9日、北海道と大分県でそれぞれ計画されている2つの陸上風力発電事業と、長崎県で計画されている洋上風力発電事業の計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見を、経済産業大臣に提出した。

陸上風力発電は住民に配慮を

陸上風力発電事業のひとつは、関西電力が大分県大分市・臼杵市(事業実施想定区域面積:約680ha)において、最大で総出力32,000kW(2,000~3,000kW級発電設備 最大16基程度)の風力発電所を設置するもの。もうひとつは、電源開発が北海道檜山郡上ノ国町(事業実施想定区域面積:約3,062ha)において、最大で総出力180,000kW(3,600kW×50基(予定))の風力発電所を設置するものである。

2つの事業実施想定区域・周辺においては、クマタカなどの希少猛禽類の生息が確認されている。また、近隣には複数の住居などが存在しており、工事中・供用時における騒音・風車の影による生活環境への重大な影響が懸念されると指摘する。

そこで環境大臣意見では、風力発電設備の配置等を検討するに当たって、騒音等や風車の影による生活環境への影響を回避または極力低減すること、鳥類に関する調査・予測・評価を行い、風力発電設備等の配置等に反映すること等を求めている。

洋上風力発電は先行事例を参考にせよ

洋上風力発電事業は、戸田建設が長崎県五島市福江島の東方海域(事業実施想定区域面積:約25.8平方キロメートル)において、最大で総出力21,000kW(2,000kW級×10基または5,000kW級を含む複数基)の洋上風力発電所を浮体式で設置するものである。

浮体式洋上風力発電事業の環境影響については、十分に解明されていない点があり、また、事業実施想定区域は福江島の東方海域であるが、同島の南西部(大瀬崎)がハチクマ等の鳥類の主要な渡り経路となっている。

環境大臣意見では、調査・予測・評価の実施および環境保全措置の実施検討に当たっては、環境省が実施した「浮体式洋上風力発電実証事業」等の先行事例の知見を含めた最新の知見を活用し、環境影響を回避または極力低減すること等を求めている。

環境影響に気を付ければ風力発電は「望ましい」

一方、これらの事業について、再生可能エネルギーの導入・普及に資するものであり、地球温暖化対策の観点からは望ましいものと評価している。特に、戸田建設の洋上風力発電事業については、環境省が実施した「浮体式洋上風力発電実証事業」の成果を活用した国内初となる大規模な商用の浮体式洋上風力発電事業であり、今後の洋上風力発電の普及拡大に向けた先駆けとなるものと言及している。

今後、経済産業大臣から各事業者に対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、事業者は、意見の内容を検討した上で事業計画を決定し、事業段階の環境影響評価(環境影響評価方法書、準備書、評価書)を行うこととなる。


環境影響評価法および電気事業法は、出力10,000kW以上の風力発電所の設置または変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、提出された計画段階環境配慮書※について、経済産業大臣からの照会に対して意見を述べることができるとされている。

なお、計画段階環境配慮書とは、配置・構造又は位置・規模に係る事業の計画段階において、重大な環境影響の回避・低減についての評価を記載した文書のこと。

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