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「新電力がベースロード電源の電力を取引可能に」 政府、制度改革案を発表

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「新電力がベースロード電源の電力を取引可能に」 政府、制度改革案を発表

経済産業省は16日、新電力の競争力を高めるために、石炭火力発電や大型水力発電、原子力発電などの安価なベースロード電源市場を創設することや、原子力発電所事故の賠償の準備不足分を、託送の仕組みを利用して公平に回収することなどを盛り込んだ、制度改革案を示した。

ベースロード電源市場創設で年間250億円のコスト削減

この制度改革案では、まず「さらなる競争活性化に向けた施策」としてベースロード電源市場の創設と連系線利用ルールの見直し(間接オークションの導入)をあげる。

この市場の創設では、新電力がベースロード電源の電力購入を容易にするための市場を創設するとともに、大手電力会社が保有する同電源を市場供出させることを制度的に求め、さらなる競争活性化を促す。遅くとも2020年度から電気の受け渡しを開始できるよう、今後詳細設計の検討を行う。

新電力がベースロード電源市場から電源調達を行った際のメリットとして、仮に現在より1円/kWh安く調達した場合、年間約250億円の調達コストを削減できると試算している。

また、地域をまたぐ送電線(連系線)の利用ルールを、現行の先着優先から、コストの安い電源順に利用することを可能とする間接オークション方式に改めることで、広域メリットオーダーの達成と競争活性化を促進する。2018年度の早い段階での導入を目指す。

FIT買取期間終了後の住宅用太陽光も視野に制度設計

CO2削減・再エネ導入や安定供給に向けた方策では、卸電力市場(kWh価値の取引)に加え、容量メカニズム(kW価値の取引)の導入と非化石(ゼロエミッション)価値取引市場の創設をあげる。容量メカニズムの導入では、卸電力取引の活性化、再エネの導入拡大下においても、中長期的に必要な供給力・調整力を確保するための仕組みを導入する。

高度化法により、小売電気事業者は、自ら調達する電気の非化石電源比率を2030年度に44%以上にすることが求められている。その目標達成と、FIT制度の国民負担を軽減するため、小売事業者が非化石価値を調達できる市場を創設する。FIT電源については、2017年度に発電したFIT電気から市場取引対象とし、できるだけ早い時期に取引を開始できるよう詳細設計・システム対応等に努めることとしている。また、非FIT電源についても、住宅用太陽光のFIT買取期間が初めて終了する2019年度の電気から市場取引対象とすることを目途としつつも、できるだけ早い時期に取引を開始する考えだ。

原発に係る費用は託送に仕組みを利用して回収

原子力発電所の廃炉への備えや事故収束に向けた対応では、託送の仕組みを利用して回収する仕組みを導入する案を示した。事故への備えの不備により生じた準備不足分や原子力に関する費用について、託送料金の仕組みを通じて広く全需要家に負担を求めるに当たっては、その額の妥当性を担保する措置を講ずるとともに、個々の需要家が自らの負担を明確に認識できるよう、ガイドライン等を通じ、小売電気事業者に対し、需要家の負担の内容を料金明細票に明記することを求めていくべきだとしている。

また、託送料金の仕組みを通じた回収を認めることは、結果として、原子力事業者に対し、他の事業者に比べて相対的な負担の減少をもたらすものである。このため、競争上の公平性を確保する観点から、原子力事業者に対しては、例えば、原子力発電から得られる電気の一定量を小売電気事業者が広く調達できるようにするなど、一定の制度的措置を講ずることを求めた。

託送料金の仕組みを活用した費用回収については、現在経過的に措置されている小売規制料金が原則撤廃される2020年に開始することが妥当であるとしている。


同省はこれまで、電力システム改革を進めていくにあたり、さらなる競争活性化に向けた施策と、市場原理のみでは解決が困難な公益的課題の克服を図るための施策について一体的に検討するため、「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」を設置し議論を行ってきた。引き続き各制度について2020年度を目安に導入を目指すことを想定して、詳細な制度設計やシステム対応等を進めていく。

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