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融資・資金調達はこう! 環境省によるグリーンボンドのポイントまとめ

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環境省は3月28日、国内におけるグリーンボンドの発行と投資をさらに拡大することを目指し、「グリーンボンドガイドライン2017年版」を策定し、公表した。また、2017年1月26日から2月14日までの間に実施した、同ガイドライン骨子案に対する意見募集の結果についても、あわせて公表している。

近年、国際的には、企業や地方自治体などが、地球温暖化対策や自然資本の劣化の防止に資するグリーンプロジェクトに要する民間資金調達のために、「グリーンボンド」債券の発行・投資が活発になっている。同ガイドラインは、グリーンボンドの環境改善効果に関する信頼性の確保と発行体のコストや事務的負担の軽減とを両立させ、国内での普及を図ることを目的とし、策定されたもの。

グリーンボンドの発行実績

グリーンボンドの概要

世界でのグリーンボンドの年間発行額はここ数年で急増しており、2016年の年間発行額は810億米ドルと前年のほぼ2倍にのぼった。国内でも、同債券の発行・投資の事例が出始めているが、その普及はまだ十分とはいえない。

なお、グリーンボンドの調達資金の充当対象別の発行実績は、2016年に発行されたものでは、「(再生可能)エネルギー」が38%と最も多く、次いで「建築物や産業(の省エネルギー)」が18%となっている。残りの44%は「(低炭素)交通」「(持続可能な)水資源」「廃棄物処理」「農業・森林」「(気候変動に対する)適応」が占めている。

グリーンボンドの調達資金の充当対象別発行実績

グリーンボンドのメリット

同債券発行のメリットは、グリーンプロジェクト推進に関する積極性のアピールにより社会的な支持の獲得、新たな投資家との関係構築による資金調達基盤の強化、比較的好条件での資金調達の可能性などがあげられる。また、投資家のメリットは、主に、グリーンボンドへ投資することで、発行体のデフォルト(債務不履行)がない限り安定的なキャッシュフローを得つつ、グリーンプロジェクトへ積極的に資金を供給し、それを支援していることをアピールできる点であるといえる。

グリーンボンド発行のフロー企業や地方自治体等がグリーンボンドを発行する場合、通常の社債や地方債、証券化商品等の発行手続に加えて追加的な手続が必要となる。これらを図示すると、以下のとおり。

グリーンボンド発行のフロー

グリーンボンド発行のフロー
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グリーンボンドの具体的な資金使途の例

あくまで例示であり、資金使途はこれらに限定されるものではない。

1.再生可能エネルギーに関する事業(発電、送電、機器を含む。)

  • 太陽光風力中小水力バイオマス地熱等の再生可能エネルギーにより発電を行う事業
  • 再生可能エネルギーにより発電された電気を送電する送電線や貯蔵する蓄電池等を設置し、維持 管理、需給調整、エネルギー貯蔵等を行う事業
  • 太陽光パネル、送電線、蓄電池等の上記の事業にて使用される機器を製造する事業
  • 太陽熱、地中熱等の再生可能エネルギー熱利用を行う事業 等

2.省エネルギーに関する事業(省エネ性能の高い建築物の新築、建築物の省エネ改修、エネルギー貯蔵、地域冷暖房、スマートグリッド、機器を含む。)

3.汚染の防止と管理に関する事業(排水処理、温室効果ガスの排出抑制、土壌汚染対策、廃棄物の3Rや熱回収、これらに関連する環境モニタリングを含む。)

4.自然資源の持続可能な管理に関する事業

5.生物多様性保全に関する事業(沿岸・海洋・河川流域環境の保護を含む。)

6.クリーンな運輸に関する事業(電気自動車水素自動車等の低公害車、公共交通機関、鉄道、自転車、複合輸送、クリーンエネルギーを利用する輸送手段や有害物質の発生抑制のためのインフラの整備を含む。)

7.持続可能な水資源管理に関する事業(清浄な水や飲用水の確保のためのインフラ、都市排水システム、河川改修その他の洪水緩和対策を含む。)

8.気候変動に対する適応に関する事業(気候変動の観測や早期警報システム等の情報サポートシステムを含む。)

9.環境配慮製品、環境に配慮した製造技術・プロセスに関する事業(環境配慮型製品やエコラベルや認証を取得した製品の開発および導入、資源消費量の少ない包装や配送を含む。)


また同ガイドラインは、グリーンボンドの普及という目的を踏まえ、国内の市場の成熟度、国際的な動向その他の状況の変化に応じ、改定していくことが予定されている。

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