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天気予報で「豆腐」の在庫ロスがゼロに

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天気予報で「豆腐」の在庫ロスがゼロに

経済産業省は6月5日、日本気象協会(東京都豊島区)と連携し、気象情報等を使った高精度な需要予測により食品ロスを削減する「需要予測の精度向上・共有化による省エネ物流プロジェクト」を実施し、食品ロスゼロを実現したと発表した。

このプロジェクトでは食品ロスの削減と、返品・返送、回収、廃棄、リサイクルなどで不要に発生しているCO2の削減を目指して活動してきた。

同プロジェクトは2014~2016年度にかけて行われ、2016年度は2015年度よりもさらに食品ロス等の削減効果を高めることができた。主な成果として下記3つの事例をあげている。

需要予測の共有で豆腐の食品ロスゼロを実現

2015年度は、同プロジェクトにより構築した豆腐の需要予測をメーカーに導入し、一定の食品ロス削減効果を確認した。

2016年度は、需要予測をさらに高度化するとともに、メーカーと小売が豆腐の需要予測を共有することで、「見込み生産」を「受注生産」に転換する実験を行った。その結果、欠品することなく豆腐の食品ロスがほぼゼロとなる効果を確認した。

なお、この実証実験では、相模屋食料(群馬県前橋市)が販売する「なめらか木綿」という名称の豆腐を対象に、人工知能と気象予測を利用し、特定の小売店での需要予測を高度化した。

日本気象協会は、2015年度に行った「情報の個社利用」の応用として、2016年度は「情報の連携利用」を目的にCPFRの実証実験を行い、さらに予測誤差を削減できたと説明している。

CPFRとは、Collaborative Planning, Forecasting and Replenishmentの略で、メーカー(製)、卸売事業者(配)、小売事業者(販)が相互に協力して、「商品の企画・販売計画」「需要予測」「在庫補充」を協働して行い、欠品防止と在庫削減を両立させることを目指す取り組みを指す。

需要予測の高度化による最終在庫削減

ミツカン(愛知県半田市)では2015年度から日本気象協会の需要予測をもとに「冷やし中華つゆ(150ml)」の最終生産量を実際に調整し、約20%(2014年比)の在庫を削減した。

2016年度は、対象商品を増やすとともに、この需要予測を高度化することに成功し、2016年度の最終在庫は、「冷やし中華つゆ(150ml)」で約35%削減(2014年比)、「冷やし中華つゆ(360ml)」で約90%削減(2015年比)となり、前年を超える最終在庫の削減効果を確認した。

モーダルシフトによるCO2削減

ネスレ日本(兵庫県神戸市)と川崎近海汽船(東京都千代田区)、日本気象協会の3社で実施したモーダルシフトの実証実験では、本プロジェクトにより構築したシステムより「最適航路情報」と「2週間先気温予測情報」を提供。

これにより、ペットボトルコーヒーの配送手段をトラックによる陸上輸送から海上輸送へシフトすることで、2015年度は貨物1トン当たりCO2約48%の削減(2014年比)に成功した。

2016年度は、オペレーションの改善や「需要予測情報」の利用などを通じてモーダルシフトの拡大に成功し、貨物1トン当たりCO2約54%の削減(2014年比)に成功した。

また、ネスレ日本では2016年度には日本気象協会から提供した「中長期予測情報」を利用し、生産量の需給調整を行った。

気象情報を活用した需要予測、ビジネス化

日本気象協会は2017年4月1日からこの一連のプロジェクトを「商品需要予測事業」として正式に事業としてスタートさせた。

今後は、食品業界をはじめとした「気象によるリスク」に直面するあらゆる業界を対象に、気象情報をもとにした商品需要予測情報の提供および問題解決を支援するコンサルティングサービスを提供していく。

また、経済産業省は、「次世代物流システム構築事業」などを通じて、サプライチェーン全体のムダを削減する取り組みを引き続き応援していくとしている。

「次世代物流システム構築事業」とは、日本の最終エネルギー消費量の約2割を占める運輸部門の省エネルギー対策を進めるため、物流分野などで効率化に向けた先行事業を行うもの。その成果を幅広く展開することで省エネルギー対策を進めることが目的だ。

なお、同プロジェクトは、この「次世代物流システム構築事業費補助金」の採択を受け、日本気象協会が実施したもの。今回の発表は、同プロジェクトの最終報告を取りまとめたものとなる。

最終年度となる2016年度の参加企業は31社、対象商品は12で、参加企業の拡大や、メーカーと小売との需要予測の共有という新たなチャレンジを行い、前年度よりもさらに食品ロス等の削減効果を高めることができたと報告した。

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