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水素ステーション向けの日本製「熱交換器」、新技術として国際的受賞

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日本冶金工業(東京都中央区)と神戸製鋼所(兵庫県神戸市)は6月15日、水素ステーション向け熱交換器「DCHE(Diffusion bonded Compact Heat Exchanger)」が、ISSF主催のニューアプリケーション賞の「新技術」分野で銀賞を受賞したと発表した。

この水素ステーション向け拡散接合型コンパクト熱交換器は、素材となるステンレス鋼を日本冶金工業が提供し、神戸製鋼が長年蓄積した熱交換器の技術を用い、2012年に開発を行った製品。

ディスペンサー内に設置されたDCHE

ディスペンサー内に設置されたDCHE

水素ステーションでは、主要機器である水素圧縮機やプレクーラー、ディスペンサー内において、水素を目的の温度に冷却するために、熱交換器が使用されているが、同製品は、従来の2重管式の熱交換器よりコンパクトなものが求められていたことを受け開発されたもの。

拡散融合に溶接、従来品比約5倍の伝熱面積

同熱交換器はステンレスのプレートに幅1~2ミリの微細な流路を加工、積層し、拡散接合を行っている。拡散接合は、溶接方法のひとつで、材料同士を密着させ、高温で加熱しながら加圧する事で原子レベルで結びつける。

一般的な溶接とは違い母材を溶かすことなく接合するため、微細な流路や複雑な三次元構造体の接合に適する。

これにより、同製品は一般的な熱交換器である2重管式と比較し、約5倍の伝熱面積(1,000平方メートル/立米)、約1/100サイズというコンパクト性、超高圧への耐性(100メガパスカル)を備えている。

DCHE外観     

DCHE外観

また、素材である特殊なステンレス鋼「SUS316L」は、強度と耐水素脆化性の観点から採用された。

熱交換の対象となる水素は、金属組織の中に入ると材料をもろくする性質がある。これを改善するため、ステンレス板に添加するニッケルなどの合金成分を最適化した。さらに、拡散接合を行った場合、一般的に強度が低下する傾向があるが、強度を維持するために接合時の最適温度条件を選定するなどの開発を行った。

同製品は2013年に初めて国内の水素ステーションに採用されて以来、現在、国内の累計100基以上の水素ステーションで採用されている。

今後、神戸製鋼は、国内の水素ステーション向けに50%以上のシェア獲得を目指すとしている。


なお、ISSF(International Stainless Steel Forum)は、1996年に設立され25ヶ国・32社のステンレスメーカーと、25の関連業界団体で構成されている世界的機関。

ニューアプリケーション賞は、ステンレス鋼の新規応用を促進するため2015年から始まり、今回で2回目となる。同賞は、「新技術」と「新市場開拓」の二つの部門から構成される。同賞を受賞するのは、日本冶金工業は2回目、神戸製鋼は初回となる。

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