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再エネ導入の方向性などがわかる 国土交通省の「ダム再生ビジョン」

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再エネ導入の方向性などがわかる 国土交通省の「ダム再生ビジョン」

国土交通省は6月27日、頻発する洪水・渇水の被害軽減や再生可能エネルギー導入に向けて、既設ダムを有効活用する「ダム再生」を加速する方策を示す「ダム再生ビジョン」を策定し公表した。

このビジョンでは、ダムの長寿命化、施設能力の最大発揮のための柔軟で信頼性のある運用や高機能化のための施設改良など、既設ダムの有効活用を加速するための方策をとりまとめている。

今後のダム再生の方向性については、流域の特性や課題に応じた、ソフト・ハード対策の両面からの推進を提言している。

たとえば既設ダムの有効活用については、長寿命化、効率的かつ高度なダム機能の維持、治水・利水・環境機能の回復・向上、地域振興への寄与などの観点から行うことをあげている。

また、ダム再生の方法としては、「永く使う」、「賢く使う」、「増やして使う」、「ネットワークで使う」とともに、河川環境の改善や水源地域の活性化等もあわせて推進するとしている。

さらにはダム再生の推進により、顕在化する気候変動や再生可能エネルギーの積極的導入等の課題に対して、柔軟かつ迅速に対応するともしている。

その具体的な方策を「ダムの長寿命化」、「高機能化のための施設改良」、「気候変動への適応」、「水力発電の積極的導入」、「ダムを活用した地域振興」、「ダム再生を推進するための技術の開発・導入」など10の柱で示している。

近年における厳しい財政状況等の社会情勢、洪水・渇水被害の頻発や気候変動の影響の顕在化を受け、既設ダムを有効活用する重要性はますます高まっている。

そのなかでこのビジョンが策定された背景には、「ダム再生」の推進に向け実施事例が揃ってきたことや、大水深で大口径の堤体削孔が可能になったこと、レーダ雨量計の高性能化など、既設ダムの有効活用を支える各種技術が進展してきたことがある。

水力発電の積極的導入に向けて

本ビジョンでは、再生可能エネルギーの積極的導入も提言している。特に「水力発電の積極的導入」では、治水と発電の双方の能力を向上させる手法等の検討や、洪水調節容量の一部を発電に活用するための操作のルール化に向けた総点検を行うとしている。

また、ダム堤体のかさ上げや放流能力の増強等の円滑な実施に向けて、治水上の必要性と電力開発の必要性に対する関係者同士の相互理解を促進するため、河川管理者と電力会社等による情報交換を推進する「河川管理者と発電事業者の意見交換会(仮称)」を地方ブロック単位で新たに設置する。

さらに、ダムの河川維持流量などを活用したダム管理用発電や公募型の小水力発電などの促進、地方整備局等の現場窓口によるプロジェクト形成の支援を行うとしている。

そして「ダムを活用した地域振興」では、既設ダムへの水力発電の積極的導入・増強や、弾力的な運用等により、地域の資源である水力エネルギーの更なる活用が、地域活性化に活かされるような仕組みを検討することをあげている。

「ダム再生」は「生産性革命プロジェクト」のひとつ

国土交通省では社会全体の生産性向上につながるストック効果の高い社会資本の整備・活用等を加速することとして、「生産性革命本部」を設置。その「生産性革命プロジェクト」の一つとして、既設ダムを有効活用する「ダム再生」を推進している。

その中で、有識者での検討会等を経て、ダム再生を加速する方策を示す「ダム再生ビジョン」を新たにとりまとめた。

国の国土交通省所管ダムでは、弾力的な運用やダム堤体のかさ上げなどを実施してきており、ダムの有効活用の実施事例が積み重ねられて知見が蓄積されつつある。

既設ダムの有効活用は、利水容量を洪水調節に活用するなどの運用改善による新たな効果の発揮、堤体のわずかなかさ上げによる貯水容量の増加、短期間で経済的に完成させることによる効果の早期発現など、様々な特長を有している。

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