川崎重工業(東京都港区)は5月31日、水素を燃料とする舶用水素ボイラの基本設計を、世界で初めて完了したと発表した。すでに実用化されている小型の陸用水素ボイラとは異なり、波の揺動や設置スペースの制限が伴う船舶特有の条件や運用面などを考慮した設計とした。今後、詳細設計・製作を行い、2020年代半ばに実用化を計画している大型液化水素運搬船に搭載し、水素社会の実現に向けて実証を進める。
これまでのLNG(液化天然ガス)運搬船の建造で培った舶用ボイラの技術やノウハウと、同社が保有する水素燃焼技術のシナジーを活用して開発した。同ボイラを搭載した液化水素運搬船の推進システムについては、日本海事協会から基本設計承認(AiP:Approval in Principle)を取得済みだ。