日本・フィリピン、鉱物分野の持続可能な開発促進で連携強化 覚書を締結

  • 印刷
  • 共有

経済産業省は11月6日、フィリピン環境天然資源省と、日本・フィリピンの両国の鉱業と鉱物資源分野における協力と持続可能な開発の促進に向けた協力覚書を11月3日にフィリピンのマニラにて締結したと報告した。

協力の実施を促進するため、コミュニケーションと調整に関する窓口をそれぞれ開設

この協力覚書を通じて、両国は鉱業分野における協力を深め、対話を促進するための枠組みを確立し、以下の分野について協力する。

(1)探鉱、開発、運用に関する鉱業政策の改善
(2)鉱業に関わる情報共有

  • 金属と鉱物資源の需給
  • 鉱業、特に「気候に配慮した鉱業」における持続可能な開発と運用のベストプラクティス
  • 地域社会への鉱業の貢献
  • 環境を保護し、採掘作業の影響を受ける地域を修復するための措置
  • 鉱山と製錬所を取り巻き、支えるインフラ開発
  • 重要鉱物とグリーンメタルに関する研究開発。

(3)鉱山と製錬所の探査、開発、運営における安全確保
(4)適切な環境影響評価
(5)契約や商慣習に基づく公正で適切な事業活動、相互利益や秘密関係に基づく価格設定
(6)両国の鉱業分野への投資家の誘致を目的とした投資環境の改善

両国は協力事項の進捗を確認するために、継続的に官民合同会議を開催する。また、協力の実施を促進するため、コミュニケーションと調整に関する窓口をそれぞれ指定する。

気候変動対策でも協力

岸田 文雄首相は、11月3日~5日、フィリピンとマレーシアを訪問した。今回の文書交換式は、岸田首相のフィリピン・マニラ訪問に併せて行われた。

11月4日、岸田首相はフィリピン上下両院合同セッションで政策スピーチを行った。この中で、日本は、フィリピンに対する最大の援助供与国であり、また、民間ベースでも最大の投資国の一つであることに触れ、「官民連携や脱炭素化に貢献する企業への投資も進んでおり、まさに官民を挙げて、フィリピンの経済成長を支えていく」と述べた。

また、マルコス政権が重要視する気候変動については、「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」構想の実現を通じ、エネルギー移行に係る協力を深めていると紹介。「12月にはAZEC首脳会合を開催し、各国の事情に応じた多様な道筋の下でネット・ゼロという共通のゴールを追求すべく、協力していく」と述べた。AZEC構想では、日本の技術や制度をいかし、アジアの脱炭素化に貢献していくこととしている。

12月に東京で、日・ASEAN(東南アジア諸国連合)特別首脳会議が予定されている。岸田首相は、今回のフィリピン・マレーシア訪問で、両国首脳と、その会議に向けての日ASEANの協力強化についても確認した。

【参考】

続きは無料の会員登録(必須情報入力)後にお読みいただけます。

  • 環境対策・環境推進に役立つニュース記事が読める
  • 平日毎朝、自分の興味に合った最新ニュースをメールで受け取れる
  • 有料記事などに使えるポイントを貯められる
  • クリッピング機能で要チェック記事をストックできる

関連記事