日本製紙、欧州でLiB用材料の生産体制構築 その背景は?

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日本製紙(東京都千代田区)は2月6日、車載用リチウムイオンバッテリー(LiB)の、負極材料の一つであるCMC(カルボキシメチルセルロース)の供給体制を強化するため、ハンガリーのブダペスト市に製造販売子会社を設立したと発表した。ハンガリーに新たに工場を建設し、同国での生産体制を構築する。新工場の稼働は2024年12月を予定。売上高約50百万ユーロ、約60名の雇用創出を計画している。

CMCは、天然セルロースを高純度に精製したパルプを原料として得られるアニオン系水溶性高分子。高い増粘性・吸収性・保水性があり、食品・歯磨きペーストなどの日用品、製紙などの工業用途で以前から広範囲に使用されてきたが、近年ではLiB用途も大きく伸長している。

同社の開発品であるLiB用CMCは、LiB負極材料(グラファイト)塗工液の高機能性添加剤として使用され、均一な塗工膜の形成が可能になり安全性に優れる点から、スマートフォン・PCなどの民生用、再生可能エネルギー蓄電用に加え、EV車載用途でも国内外のLiBメーカーから高く評価されているという。

欧州の自動車産業で進む、域内サプライチェーン構築

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