「省エネセミナー&太陽光見学ツアー」 in 福岡 開催レポート(2ページ目)

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プロによる省エネ診断で大幅なコスト削減が実現!

池田陸郎氏
池田陸郎氏

東日本大震災以来、節電の意識は大きく高まったが、数字で見える省エネ対策を具体的に試みたことはあるだろうか。

第二部では節電のプロであるカーボンフリーコンサルティングの池田陸郎氏が、診断から効果検証までの実例をまじえて、大幅なコスト削減を実現できる省エネの実践手法を紹介。

主な省エネ対策の実施フローは下図の通りだ。

省エネ対策の実施フロー
省エネ対策の実施フロー
(※画像をクリックで拡大)

プロによる分析では、電力やガス、水道、冷水/温水といった運転データを測り、図面と現場の照合をしながら、二酸化炭素測定器や照度計、サーモグラフィーといった機器で計測を行う。そこで得られたデータを解析し、空調や照明など無駄なエネルギー使用の「見える化」を実施。これを基に社内ルールの改善や、投資回収期間の算定といった具体的な中長期アクションプランを策定する。

設備投資の省エネ対策については、効果事例を写真やデータなどを交えて解説。ある工場では照明設備の一部にLEDを導入することで、電気の使用量が激減。またある工場では重油焚きボイラーから都市ガスを燃料とする高効率の貫流ボイラーに替えたことで、年間500万円以上のコストダウンが実現した。

「基本的な省エネアクションについては自社で永続的な徹底をめざせるように、省エネ管理担当者の育成も行っています。これに加えて、年一回の外部専門家による効果検証診断を行うと省エネ対策も万全かと思われます」と池田氏。2012年度は9名の省エネ管理担当者が誕生している。

自分で作って施工費節約太陽光MY発電所キット

渡辺安彦氏
渡辺安彦氏

第三部は株式会社Looop(ループ)による、「小規模から大規模まで、遊休地を活用した太陽光発電システム導入のポイント」について。はじめに東日本大震災を機に設立し、FIT(固定価格買取制度)の追い風もあって、その後急激な成長を遂げている会社の歩み、加えて同社が看板商品である「自分で作れるMY発電所キット」の説明があった。

その後、商品説明とともに太陽光発電所の設置条件や売電シミュレーション、導入先の実例写真の解説など分かりやすいプレゼンが繰り広げられた。

株式会社Looop 第一事業部 課長 渡辺安彦氏が唱える、「自分で作れるMY発電所キット」が選ばれている理由は大きく3つ。

  1. 太陽光発電を固定価格で販売。オープン価格が多い業界の中で、初めて価格の透明化を実現させた。
  2. 施工業者に頼まなくても自身で設置することができるので、施工費用を大幅に削減。DIYが不安な人でも設置マニュアルや、手厚いサポートがあるので、安心して設置できる。
  3. 設置実績の数が圧倒的にあること。パッケージ化された商品が広く使われていることで、技術のノウハウを共有することができる。

さらに、「これまでは農地の上で太陽光発電をすることはできなかったのですが、今年4月に農林水産省から一部の条件を満たせばソーラーシェアリングができるという通達が出ました。以来、農地用の『自分で作れるMY発電所キット』はたくさんのお問い合わせをいただいております」と渡辺氏。

セミナー後に行ったアンケート調査でも、「もっとソーラーシェアリングを詳しく聞きたい」「ソーラーシェアリングの見学会があれば参加したい」といった声もあり、受講者の関心の高さがうかがえる。後にも触れるが、翌日のバスツアーでは野立用の「自分で作れるMY発電所キット」の現地見学会を行った。

次ページ →LED照明や自作型太陽光発電システムを実際に見る

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