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気候変動交渉はどこへ向かうのか? 2014年予想図(3)

島田 久仁彦

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3つ目は、緩和・MRVを巡る交渉だろう。

緩和については、既存マンデートの範囲内で2014年に、先進国目標の明確化の作業を進めること(LULUCF、炭素市場、対象ガス・セクター、目標前提条件の明確化に関する専門家会合やワークショップを通じて)、途上国NAMAの多様性理解の作業を進めること(NAMAの前提条件や、MRVに必要な支援ニーズ、レジストリを用いた支援のマッチングに関するワークショップを通じて)が決定された。

先進国MRVについて、隔年報告書と国別報告書が同時に提出される年には訪問審査を、隔年報告書のみが提出される年には集中審査を行うこと、両報告書に共通する内容の審査は一回のみとすることを含む審査ガイドラインが採択され、国際的評価・審査を予定通り2014年から開始できることとなった。

一方、途上国MRVについては、隔年更新報告書の技術的分析を行う専門家チームの構成について、過半数を途上国メンバーとし、国別報告書の作成支援を行う専門家協議グループメンバーを一人以上かつチーム全体の3分の1以下の人数で含めることで合意し、国際的協議・分析を予定通り2015年から開始できることとなった。

また、専門家協議グループについては、今COPで失効する暫定的マンデートに代わり、活動期間を2014~2018年の5年間とし中間審査を行うこと、国別報告書に加え隔年更新報告書を支援の対象に追加することを含む新たなマンデートが合意された。

さらに、途上国の自主的な国内MRVのガイドラインが策定された。「気候変動交渉と言えば、緩和だろう」というイメージをお持ちの方も多いと思うが、今次会合での成果は、一応、そのイシューについては交渉の目途がついたのではないかと言えるところだろうか。

(※全文:1,854文字 画像:あり 参考リンク:なし)

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この記事の著者

島田 久仁彦 (しまだ・くにひこ)
島田 久仁彦 (しまだ・くにひこ)

 国際的に有名な交渉ストラテジストとして知られ、国際会議のファシリテーションのプロフェッショナルとして認められている。現在KS International Strategies社のCEOを務める傍ら環境省参与およびSun Investment社のパートナーとしても活躍。


 これまでに環境省国際調整官として気候変動交渉で政府代表団でリード交渉官を務めると同時に、数々の議題で交渉の議長なども歴任。

 2010年10月に名古屋で開催された生物多様性第10回締約国会議(CBD-COP10)では、議長補佐を務め会合の成功に寄与した。環境問題、とくに気候変動問題には、1997年から関わっており、気候変動の国際交渉においては知らない人がいないと言われるほど名が知られている。2012年3月、これまでの活動が評価され、世界経済フォーラムのYoung Global Leaders 2012(YGL2012)に選出された。

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