次の10年、日本のエネルギー問題がどこへ向かうかを占うのは難しいが、どのようにすべきか指針を示すのは実はそう難しくない。なぜならば、海外情報を冷静に分析し、他国の「過去の10年」を精査すれば日本が今後何をすべきかが自ずと明らかになるからだ。これからの日本の方向性について、関西大学 安田氏に寄稿いただいた。
図1は主要先進国の電源構成(各電源のkWhの割合)の変遷を示したものであり、1990年を基準として現在まで各電源がどれだけ増減したかを示したものである。各国ごとに個性があるものの、主要先進国全体の傾向としては (i)石油火力と石炭火力を減らす、(ii) その分、再エネ(とりわけ風力)とガス火力を増やす、というトレンドが認められる。