今号から、分散型エネルギーの専門家である京都大学大学院経済学研究科教授 諸富徹氏の「エネルギーと地方との関わり」を切り口としたコラムがスタート。今後、4回に分けて日本版シュタットベルケの現状やエネルギーと地方再生などについて詳しく解説する。
20世紀はまさに、人類史上類例をみないスピードで経済が拡大する「経済成長の世紀」だったが、他面で、類例をみない「環境汚染の世紀」でもあった。企業と人口が都市に集積して、壮麗な建築群や摩天楼が経済的繁栄の象徴的表現となった。その一方で大気汚染、水質汚濁、自然破壊など、都市はあらゆる公害・環境問題のショーウィンドウと化した。20世紀の歴史は、環境汚染問題との闘争の歴史だといっても過言ではない。