第3回 BtoBにおけるブランディングの効能

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スマートフォンやSNSの登場があたえた企業活動への影響はとくにマーケティング活動やブランド構築において大きなものがあります。ものごとの変化には、大きなチャンスが潜んでいることも事実です。このチャンスを日々の活動に活かしてもらうために、ブランディング具体的な効能について解説する、集中連載第3回。期間限定 特別無料公開中!

BtoBにおける「固定ファン化」とは?

第1回の記事では「ブランディングとは?」という概念について解説しました。第2回の記事では「ブランディングで顧客がファン化するメリット」についてお話ししました。今回は、それが中小企業やBtoB企業でどのように応用できるか、についてご紹介していきます。

BtoB、つまり法人向けに商材やサービスを提供する企業の課題の多くが、自社の商材やサービスの強み特徴を上手に伝えられていないことです。また、BtoB商材自体が、その業界の人でないと用途や魅力が分かりにくく理解に時間のかかる商材でもあります。代表的なものを挙げると、オンラインミーティングやマーケティング、決済やバックオフィス系などSaas系のものオフィス機器や産業機材などまで。実際に商材を選ぶ、企業から見ても違いや特徴がハッキリとはわからないことも多いのではないでしょうか。そこで最終的には知名度や企業規模で選んだり、“営業マンの人柄”や価格のみ注目するなど、適切な商材やパートナー選びができていないケースも多いのではないでしょうか。

こうした場合にもブランディングが確立されていると「このサービス=A社」「信頼できる考え方=A社」という想起がスムーズに起き、顧客内でニーズが発生すると「まず、A社を呼んでみよう」というアクションにつながりやすくなるのです。一見、同じように見える機能・サービスが溢れるからこそ、その特徴がビビットに伝わることが大きなアドバンテージになるのです。

さらに、採用面での効果は絶大です。これは、企業イメージが不鮮明なBtoB・中小企業だからこそ強くメリットを感じるポイントです。BtoB企業では、例え業界トップでも一般には認知度が低く、損をしているケースも多いのです。だからこそ、的確なブランディングを行い、「自社が何者か」をはっきりと語ることで応募者数が増えるだけでなく、価値観の近い活躍人材に出会える確率も上がっていきます。もちろん、既存の社員自身やそのご家族からの信頼度も上がっていくでしょう。

これは、どの企業にも共通して言えるメリットですが企業姿勢への理解と共感が生まれることで、企業活動への応援・支援を得ることができ、社会的信頼が高まる、投資家や金融機関からの評価がよくなるなど、経営にダイレクトに効いてくる付加価値も期待できます。代表的なものを挙げていくと・・・、

他社よりも高単価で販売することができる

サービスの第一人者としてブランドイメージを獲得していれば、問い合わせが入りやすく競合よりも一足早く商談を進めることができます。他にも「コスト競争に巻き込まれにくい」「信頼が増す」「コンペの際に必ず呼ばれる様になる」など、ビジネスをスムーズにさせるメリットが多数あります。

投資家の期待も集めることができる

特にIPOを目指す企業で意識していただきたいのが、ブランドイメージは株価に影響すること。投資を促進したり、資金調達を円滑にするためにブランディングを行うケースも多分にあります。「先見性がある企業だ」「将来性が高い」「環境問題や社会課題を解決できそうだ」など様々な期待を抱いてもらえ、資金調達の一助となるのです。

以上、ブランディングを実践するメリットを挙げてみました。ただし、その企業にふさわしいブランドを構築できないと、相応の効果も生まれません。単に背伸びすることでも、必要以上に謙虚になることでもなく、実際の実力をいかにより良く社会に届けるか。その本質的なブランドの開発方法について、次回では解説していきます。

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