ワケあって絶滅した動物たちに見る、環境変化と絶滅の関係
この夏、我が故郷の富山県で、ユニークな展示企画が開催されました。それが「わけあって絶滅しました展」(氷見市芸術文化館7月13日〜8月21日)。
丸山貴史氏の著作『わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑』をベースに、約35億年前の生命の誕生から始まり、現代に至るまでの生物進化の歴史の中で栄華を極めながら、絶滅していった動物たちが紹介されていました。
本稿では、この展示でも紹介された「おもしろい動物たちの絶滅トピック」を紹介し、環境変化と絶滅の関係を眺めながら、現代の大絶滅と人間の未来について考えてみたいと思います。
カンブリア爆発が産んだ奇妙な動物たちの末路
今からおよそ5億4200万年前から5億3000万年前のカンブリア紀に形成された地層から、それより前の時代の地層では全く見られなかった、体の造りが複雑で硬い殻・骨格を持つ多様な生物の化石が大量に発見されました。このことから、生物の種類や数がこの時期に爆発的に増えたと考えられ、多くの古生物学者がこの時代の生物の多様化を「カンブリア爆発」と呼ぶようになりました。
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