『V2G』先進国イギリスの取り組みとは?(後編)

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世界で進むエネルギー・インフラとしてのV2G (Vehicle-to-Grid)の実証実験。英国はそのリーダーとして、政府研究機関CENEXが中心となり、さまざまなスケールの実績を積み上げている。(前編はこちら

V2G Britain (V2GB)Competition:V2G実用化の要件検証

英国ではV2Gは輸送とエネルギーにおける脱炭素化のカギを握ると期待されている。このためには、余剰電力を売電することで十分な経済メリットをあげ、社会全体にも中長期的にメリットをあげる実現可能性テストが必要だ。

V2GBは、それを目的として実施され、Office for Low Emission Vehicle (OLEV、低 排 出 車 両 部 )とDepartment for Business Energy and Industrial Strategy (BEIS、ビジネス、エネルギー、産業戦略省)が資金をつけ、日産、Energy Systems Catapult、Moixaなどのコンソーシアムが参加した。

その結果、家庭用V2Gユニット(7kW時)はうまく使えば、月100~400ポンド(約1万6000円~6万4000円)ほどの収益をもたらすこと、2030年までにはV2Gユニット価格を1000ポンド(約16万円、現状ではこの4倍)程度まで低下させる見通しを立てた。

運送業で利用すれば英国運送業界に2億ポンド(約300億円)の経費節約に、英国全体では年1億8000万ポンドのエネルギー節約を実現でき、2030年までにさらに年400万~9000万ポンドの節約につながると試算した。V2Gユニットの価格が下がり、10年程度で減価償却可能な収益が得られること、バッテリーの寿命への懸念が払しょくされる必要が指摘された。

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