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CF(カーボンフットプリント)国際標準化の主導権巡り日英火花

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今後の展開をイギリス・Carbon trust社に聞く

2008年10月末に世界初の国際的なカーボンフットプリント基準であるPAS2050を公表した英国。この取り組みに関する講演や会議のために来日したカーボン・トラスト社のテクニカルマネージャー、グラハム・シンデン博士とカーボン・ラベル社のカスタマー&プロジェクトマネージャーのロビン・ディキンソン氏に話を聞いた。

1次データ規制を廃止したPAS2050

グラハム・シンデン博士

カーボン・トラスト社(The Carbon trust) テクニカルマネージャー グラハム・シンデン博士(DR.GRAHAM SINDEN)

ロビン・ディキンソン氏

カーボン・ラベル社(The Carbon Label Company) カスタマー&プロジェクトマネージャー ロビン・ディキンソン氏(Robin Dickinson)

まずPAS2050の基準や計算方法の作成を担当したシンデン氏に、難しかった点を尋ねた。「企業が出すデータについて、試行段階では主要活動データ(1次データ)を60%以上必要とするという基準を設けていました。本当はこの基準を実施したかったのですが、企業にとって60%というのは実行が難しいことが分かったので方向性を変え、その基準をなくしました」(シンデン氏)。

企業の意見も重視している英国では、大手企業を中心に20社が協力してきた。「今後の政府によるCO2排出量規制、CO2削減を求める消費者の声の高まりなどを見据えると、CO2管理はそのための準備になるし、コスト削減やイメージ向上につながると企業側は考えています。計算の結果、各社が最低1つはCO2を削減できる点を見つけられました。例えばポテトチップスを生産、販売しているウォーカーズは原材料のジャガイモの生産における無駄を発見し、コストもCO2も削減できました」(ディキンソン氏)。


グローバルな日本企業には統一された基準が有効

蛍光灯型電球へのフットプリント表示

英大手小売・テスコで売られている蛍光灯型電球へのフットプリント表示

エコプロダクツ2008 カーボンフットプリントブース

昨年末のエコプロダクツ2008では、フットプリント商品の展示が来場者の高い関心を集めた

もうひとつ企業から強い意見としてあるのは「統一された国際基準にすること」だ。多くの企業が1つの製品の原材料を入手してから生産、販売、廃棄に至るまでに数カ国と取引しているので、カーボンフットプリントを計算するには各国の担当からCO2の数値を入手する必要がある。「例えば日本の企業が他の国の工場からデータを出してもらう時、日本と違う基準に基づくデータを出されたら困りますよね。国際標準化は、政府というよりも国際的な企業がコストをかけずに効率的に仕事を進めていくために必要なのです」(シンデン氏)。

現在、日本と英国の計算基準、解釈にはいくつかの違いがある。「我々は計算方法をどうするかが最も重要だと考え、日本政府とも話をし、我々のアプローチを理解していただこうとしています。国際的に取引をおこなう企業が多いことを考えたら、統一された基準が有効なのは筋が通った話です」とシンデン氏は語る。

商品算定基準で考えても、ほとんど1社ごととする英国と、商品比較の観点を取り入れ一定の業界統一基準を作ろうとする日本とは大きなギャップがある。当然ながら、国際標準化に倣わなければロスが多いだけに、発言力の強い英国との折衝は欠かせない。2011年の国際規格発行に向け、まずは1月中に行われるマレーシア会合に注目が集まる。

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