環境用語集 カーボンフットプリント

直訳すると炭素の足跡という意味で、CF、またはCFPと訳されることもあります。
カーボンフットプリントには次の2つの意味があります。

1.個人や団体、企業などが生活・活動していく上で排出されるCO2などの温室効果ガスの出所を調べて把握すること。ライフサイクルアセスメント(LCA)の計算方法がベースになっています。

2.上記1を企業が自社の商品に表示する制度。2007年から英国で導入され、日本でもエコプロダクツ展2008から試験的な表示を開始し、2009年3月末までにガイドラインを策定する見通しです。


ことの始まりは1990年代のエコロジカル・フットプリント

1990年代に、人間活動が環境に与える負荷を表す、エコロジカル・フットプリント(Ecological footprint)という概念が提唱されました。これは、資源の再生産や廃棄物の浄化に必要な面積で表されます。提唱者はカナダのブリティッシュコロンビア大学のウィリアム・リースとマティス・ワケナゲル。一般にエコロジカル・フットプリントは先進国ほど広くなります。たとえば、日本の場合、国民全体で、実際の日本の国土の面積の15倍以上を必要とする資源を使用したり、廃棄物を出したりしていると算出されました。

これに対して、カーボンフットプリントは、製品が販売されるまでの温室効果ガス排出量(重量)で表されます。カーボンフットプリントの算出には、ライフサイクルアセスメントの手法が用いられるのが一般的で、これを商品に表示する試みを最初に始めたのがイギリスですが、アメリカなどにも広がりを見せています。


家庭のカーボンフットプリント、最も多いのが自動車と照明・家電

JCCCA(Japan Center for Climate Change Action):全国地球温暖化防止活動推進センターがまとめた日本の一般的家庭の平均的なカーボンフットプリント(1世帯あたり、2006年基準)は約5,203kgで、内訳は次の通りです。

家庭からの二酸化炭素排出量(世帯当たり、燃料種別、用途別)(2006年)

燃料種 排出量* 割合
灯油 554 10.60%
LPG 267.2 5.10%
都市ガス 422.7 8.10%
電力 1997.60 38.40%
1.4 0.00%
ガソリン 1484.30 28.50%
軽油 90 1.70%
一般廃棄物 271.7 5.20%
水道 114.1 2.20%
合計 5202.90 100.00%

出典)温室効果ガスインベントリオフィス
「日本の1990~2006年度の温室効果ガス排出量データ」(2008.7.9発表)
* 排出量の単位は[kg-CO2換算]
※ 家庭からのCO2 排出量は、インベントリの家庭部門、 運輸(旅客)部門の自家用乗用車(家計寄与分)、廃棄物(一般廃棄物)部門で 計上された排出量、および水道からの排出量を足し合わせたものである。
※ 一般廃棄物は非バイオマス起源のみを対象とし、事業系一般廃棄物を含む。
http://www.jccca.org/content/view/1048/789/


企業の商品/サービスのカーボンフットプリント

カーボンフットプリント統一マーク 企業活動のどの部門でどれくらいの温室効果ガスが排出されているのかを知るには、ライフサイクルアセスメント(LCA)が用いられます。

原材料の調達、生産、流通販売、使用・維持管理、廃棄・リサイクルまでの各段階でどれだけのCO2が排出されているかを算出します。

たとえば、イギリスWalkers Crisps社のポテトチップの場合、

じゃがいもの栽培(44%)、製造(30%)、包装(15%)、配送(9%)、廃棄(2%)で、一袋あたり75g-CO2eqとされています。

また、フランスのスーパー大手E.Leclercは、2008年4月から半年間、一部の商品で商品棚やレシートにカーボンフットプリントの表示を実施しました。
また同じくスーパー大手Casinoは約3,000品目を対象に2007年からカーボンフットプリントの算定を開始したとのことです。

ほかにもスイスやドイツで算定方法をの検討が行われています。

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