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改正省エネ法施行 エネルギー使用量の把握期間がスタート間近

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規制対象事業場は約5割に拡大

三菱地所 執行役員ビルアセット開発部長 合場直人氏

三菱地所 執行役員ビルアセット開発部長 合場直人氏
社団法人日本ビルヂング協会連合会の『ビルエネルギー運用管理ガイドライン』の作成に尽力した。

改正省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)の施行が1年後に迫ってきた。これまで一定規模以上の大規模な「工場・事業場」に対しエネルギー管理の義務が課されていたが、改正法では「事業者単位」でのエネルギー管理が義務付けられるようになる。これを受け、いよいよ今年度から「事業者単位」でのエネルギー使用量の把握が必要になった。

改正法は、省エネに対する取り組みが進む工場など産業部門に加え、オフィスやコンビニなど業務部門においても対策強化を狙ったもの。全事業場を合わせたエネルギー使用量が原油換算で1,500klを超える企業には、2009年度のエネルギー使用量の把握と、2010年度から毎年の届け出の義務付け、努力目標として年平均1%のエネルギー消費原単位(※)の削減が求められる。
(※エネルギー消費原単位とは、エネルギー使用量を生産に密接な関わりを持つ値で除して得た値)

経済産業省によると、改正法による業務部門のエネルギー使用量ベースでの把握率は、従来の約1割から約5割に拡大。それら該当企業における省エネ対策が一気に進む可能性があり、政府が経済危機からの脱却をかける「環境ニューディール」の起爆剤として省エネビジネスが活性化しそうである。

主要分野で省エネ市場活性化

とりわけ市場がにぎわいそうなのが、昨年末にまとまった「工場等におけるエネルギーの使用の合理化に関する事業者の判断の基準」(改定案)の中で、業務部門にも導入しやすい省エネ対策として基準が示された7分野。(1)空調・換気、(2)ボイラー・給湯、(3)照明・昇降機・動力、(4)受変電・BEMS(Building and Energy Management System)、(5)発電・コジェネ、(6)事務・民生用機器、(7)業務用機器がそれ。設備の使い方を見直すだけで、改正法で努力目標とされる「エネルギー消費原単位年平均1%削減」が可能な場合もあるが、効率の悪い旧式設備は買換需要が伸びそうだ。

改正法対象企業にとっては、2009年度は重要な1年になる。まず取り組まなければならないのが省エネ可能性の調査だが、それが容易ではない。特に店舗ごとで対応しなければならない場合は難しいが、省エネルギーセンター(東京都中央区、03-5543-3016)から無料で省エネ診断士を派遣してもらえるので、有効に活用したい。また、企業ごとに1名ずつエネルギー管理統括者とエネルギー管理企画推進者の選任も必要。資格要件がある企画推進者育成を目的に全国8カ所、2回ずつの予定で開催される講習会に参加するなど、今年1年間を有意義に活用して改正法施行に備えてほしい。

住宅・建築物は省エネで差別化

一方、今回の法改正では2,000m2以上の大規模の建築物に対する規制も強化され、さらに一定の中小規模の建築物も届け出義務等の対象に追加された。入居後のエネルギーコスト削減につながる「省エネ」が、オフィスビルやマンションの新たなウリになりそうである。

「省エネ化を進めるべく、保有しているビルの設備更新を前倒しし、可能な限りすべての対策を導入している」と話すのは、三菱地所執行役員の合場直人氏。日本ビルヂング協会連合会が昨年まとめた「ビルエネルギー運用管理ガイドライン」に掲載されている「費用対効果を考慮した100の対策メニュー」(表)の策定にも自らかかわり、最良の対策導入に余念がない。「ビルという『点的』な対応にとどまらず、エリア全体を巻き込んだ『面的』な省エネで他社と差別化を図る」。すでに東京屈指のオフィス街である大手町・丸の内・有楽町エリアでは域内に様々な省エネの仕組みを取り込んでおり、環境配慮型のまちづくりを推進している。

改正省エネ法により規制が強化され、企業の負担が重くなるのは確かだ。しかし、それをマイナスにとらえるのではなく、エネルギーコストの削減や関連市場の活性化というプラスに転じさせるような知恵と工夫が企業に求められている。

費用対効果を考慮した100の対策メニュー

エネルギー消費先別
熱源・輸送 空調・換気 給排水 受変電 照明 建物等 合計
対策分類 設備機器の運用改善 12 15 3 3 2 1 36
設備機器等の改修・更新 6 6 4 2 4 3 25
設備システムの変更、建物更新時等の導入技術 6 7 3 8 5 10 39
24 28 10 13 11 14 100

出典:「ビルエネルギー運用管理ガイドライン」(日本ビルヂング協会連合会)

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