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環境用語集

省エネ法(改正省エネ法)【しょうえねほう】

民生部門のCO2排出量削減を目指す「改正省エネ法」とは

1979年に制定された省エネ法(正式名:エネルギーの使用の合理化に関する法律)は、工場や建築物、機械・器具についての省エネ化を進め、効率的に使用するための法律。工場・事業所のエネルギー管理の仕組みや、自動車の燃費基準や電気機器などの省エネ基準におけるトップランナー制度、運輸・建築分野での省エネ対策などを定めている。

経済産業省は、産業部門に加えて、大幅にエネルギー消費量が増加している業務・家庭部門での対策を強化するため、省エネ法の改正案を2008年の第169回国会に提出、2009年4月1日から施行されることが決定した。

最大の狙いは、全温室効果ガス排出量の3割を占め、CO2削減効果の排出量が増えている民生(家庭+業務)部門における住宅や建築物に関する省エネ対策を強化することだ。

今回の改正で、チェーン展開する流通業界や外食業界などが新たに規制対象となる。これにより、省エネ法の規制対象となる企業は、改正前の10%から、改正後には50%程度まで拡大するとみられている。

2005年 温室効果ガス排出量の増減

温室効果ガス 基準年排出量に占める割合 増減率
(基準年比)
代替フロン等3ガス 4.1% -66.9%
一酸化二窒素(N2O) 2.6% -21.3%
メタン 2.6% -27.6%
非エネルギー起源CO2 6.7% +6.3%
エネルギー起源CO2 エネルギー
転換部門
5.4% +9.7%
非製造業部門 3.1% -25.6%
製造業部門 35.2% -1.3%
旅客部門 8.9% 39.7%
貨物部門 8.4% -4.8%
業務部門 13.0% +42.2%
家庭部門 10.1% +37.4%

出所:「我が国の温室効果ガス排出量の実態及び京都議定書目標達成計画について」
(平成18年10月25日 経済産業省産業技術環境局)


住宅・建築物向け 改正省エネ法の概要とポイント

改正前は、2,000m2以上の大規模な住宅・建築物の場合のみ、建設時に省エネの取り組みに関する届出をする必要があった。改正法では、大規模建築物だけでなく、中小規模(300m2)の住宅・建築物もその対象となっている。
また、住宅の建築・販売を行うハウスメーカーやデベロッパーに対しても、省エネ性能の向上を促す内容となっている。加えて、販売業・賃貸業を行う事業者は、住宅・建築物の省エネ性能の表示を行うなど、顧客への情報提供に努める必要がある。

改正前

①対象:
床面積の合計が2,000m2以上の大規模な建築物

②内容:
対象建築物は「特定建築物」に指定され、新築、大規模改修を行う際、所管行政庁に対して省エネ措置の届出をする必要がある。 また、維持保全状況を定期的(3年ごと)に報告しなければならない。

改正省エネ法(平成21年4月施行分)

①対象:
現行法の対象となっている大規模建築物、及び一戸建ての住宅

②内容:
大規模建築物:
届出の際の省エネ措置が不十分な場合、所管行政庁は改善命令を下すことができ、従わない者に対しては罰金を科す(100万円)。
一戸建て住宅:
住宅事業建築主に対して省エネの向上を促す措置を導入し、省エネ性能の見える化なども推進する。

改正省エネ法(平成22年4月施行分)

①対象:
中小規模の建築物(床面積合計300m2以上)

②内容:
新築の際、所管行政庁に対する省エネ措置の届出と、定期報告が義務付けられる。

事業者(業務部門)向け 改正省エネ法の概要とポイント

改正前は、事業所や工場ごとに、年間エネルギー使用量が1,500kL以上の場合にエネルギー管理などの義務を課していた。改正後は、対象が事業者単位に変更され、企業全体のエネルギー使用量が1,500kL/年以上であれば、規制対象となる。
例えば、スーパーやコンビニなど、店舗ごとにみるとエネルギー使用量が多くない場合、これまでは規制対象となることはなかったが、改正省エネ法の施行によって、企業全体として管理する必要が出てくる。
管理が事業者ごとになるため、事業者(企業)単位でエネルギー管理の責任者の選出、定期報告などが義務付けられる。

改正前

①対象:
燃料・熱・ガス・電気などのエネルギーを一定規模以上使用する工場や事業場。 エネルギー使用量(原油換算値)が3,000kL/年以上の場合、 第一種エネルギー管理指定工場、1,500kL/年以上の場合、第二種エネルギー管理指定工場となる。

②内容:
エネルギー管理指定工場ごとに、エネルギー管理者・管理員を選任し、 エネルギー使用状況等の定期報告書や中長期計画書の提出、設備ごとのエネルギー管理などを、工場・事業場単位で行う。

改正省エネ法(平成22年4月施行)

①対象:
工場や事業場単位でなく、企業全体のエネルギー使用量が1,500kL/年以上の企業。本社、工場、支店、営業所に加え、コンビニエンスストア等のフランチャイズチェーンも対象となる。また、エネルギー管理指定工場の指定については、現行法が引き継がれる。

②内容:
対象となる企業は、国への届出を行い「特定事業者」の指定を受ける。フランチャイズチェーンの場合は、本部が「特定連鎖化事業者」の指定を受けることとなる。その上で、企業単位でエネルギー管理統括者とエネルギー管理企画推進者を1名ずつ選任し、定期報告書・中長期計画書の提出をすることが義務付けられる。エネルギー管理指定工場ごとの定期報告・中長期計画書の提出も、企業単位の提出となる。

これに伴い、企業全体でのエネルギー使用量の把握を、平成21年4月より行う必要がある。期間は平成21年4月1日~平成22年3月31日。その結果、エネルギー使用量が1,500kL/年以上の場合は、平成22年度に経済産業局へ届け出る。届出をしなかった場合、または虚偽の届出をした場合は、50万円以下の罰金が科せられる。

また、エネルギー使用効率を毎年1%以上改善するよう、努力義務が定められているため、毎年その値を算定し、報告する必要がある。

省エネ法で抑えておきたいキーワード・用語解説

省エネ法でのエネルギーの定義

省エネ法でのエネルギーは、燃料、電気、熱を指し、廃棄物からの回収エネルギーや、風力・太陽光発電などによる自然エネルギーは対象外。

1. 燃料
・原油及び揮発油(ガソリン)、重油、その他石油製品(ナフサ、灯油、軽油、石油アスファルト、石油コークス、石油ガス)
・可燃性天然ガス
・石炭及びコークス、その他石炭製品(コールタール、コークス炉ガス、高炉ガス、転炉ガス)
・燃焼、その他の用途に供するもの(燃料電池による発電)

2. 電気
・1の燃料を使った電気
※対象外:1の燃料を起源としない太陽光発電、風力発電、廃棄物発電などの電気

3. 熱
・1の燃料を熱源とする熱
※対象外:1の燃料を熱源としない太陽熱及び地熱などの熱

省エネ法によく出てくるキーワード

エネルギー管理統括者
中長期計画の作成を行うほか、各現場の情報を総合して、事業者全体として一貫した管理が行われるようエネルギー管理業務を統括する者。事業全体の鳥瞰的なエネルギー管理を行える者が担う。

エネルギー管理企画推進者
エネルギー管理統括者の補佐を行う。エネルギー管理員講習修了者か、エネルギー管理士の資格を有する者でなければいけない。

定期報告書
特定事業者が、毎年度7月末(平成22年度は11月末)までに提出する書類。省エネに関する年度ごとの報告事項を記入する。「事業者全体の報告」部分と「特定事業者が設置するエネルギー管理指定工場等ごとの報告」部分から構成される。

中長期計画書
特定事業者が、毎年度7月末(平成22年度は11月末)までに提出する書類。省エネに関する今後の具体的な取り組みや期待される効果を記入する。

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