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2030年エコカー世界市場を予測 HVは5.4倍、日本メーカーが主導権

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2030年エコカー世界市場を予測 HVは5.4倍、日本メーカーが主導権

総合マーケティング会社の富士経済は、世界のハイブリッド自動車(HV)電気自動車(EV)プラグインハイブリッド自動車(PHV)と関連部品の技術動向、環境規制などインフラの市場を調査し、2030年までの市場予測をまとめた結果を発表した。

調査結果の概要

HVの世界市場は、2012年が160万台(11年比1.8倍)、2030年は863万台(12年比5.4倍)となる見通し。日系メーカーに主導権を握り、それを追う欧米系メーカーは、燃費規制対策のためにHV化を躍起になって推進。2030年にはそれぞれの国の自動車総販売台数において、欧州20.1%、北米18.2%を占めるまでHVのシェアは拡大すると予測する。

PHVの世界市場は、2012年が6万台(11年比6倍)、2030年は194万台(12年比32.3倍)となる見通し。北米需要が市場を牽引する。日本ではEVの市場開拓もインフラの整備も共に遅れ気味で、結局HVに変わる巨大な市場は形成されないと予測する。さらに2025年、2030年頃になれば、世界の市場でEVがかなりのウエイトを占め、PHVは2020年頃までは環境規制対策車として、それ以降は中大型車で一定量に留まるとみている。

EVの世界市場は、2012年が7万台(11年比1.8倍)、2030年は307万台(12年比43.9倍)となる見通し。20年以降、街乗り・セカンドカーにマイクロEVの需要が拡大するとみている。

タイプ別概要(HV、EV、PHV)

これら3タイプ(HV、EV、PHV)の次世代自動車についての概要は以下の通り。

HVは、2012年は前年の生産調整の反動から、トヨタ自動車のHV、プリウスとアクアが牽引し、日本市場では前年の2倍、米国市場では同1.6倍の伸びが見込まれる。しかし、米国市場においては、2012年後半からフォードC-MAXやフュージョンが、プリウスからシェアを奪う相当な追い上げをしており、2013年以降はGMなども追い上げると予測される。日系3社が数多くのHVを米国に投入しても、18年頃までは日本が世界最大のマーケットであり続けると予測する。HVが常用化、スペック至上主義の国民性など、“売れる”環境が整っている日本では、2020年には自動車総販売台数の31.1%に成熟し、その後、微増で推移するとみている。

PHVは、米国でPHV普及政策として連邦政府の米国メーカーへの開発支援、優遇策やカリフォルニア州のZEV(Zero Emission Vehicle)規制対策など多くの優遇措置が取られていることから、北米需要が市場を牽引する。日本ではプリウスPHVが、目標を達成出来ていない。インフラの未整備や車両価格が高いことよりも、ガソリン給油と充電を別の場所でしなければならないめんどうさがユーザーの本音と分析する。

EVの2012年の市場が7万台。この内、日産LEAF以外ほとんどのEVは商用利用か試験導入車である。商用車への導入目的も企業や自治体の環境アドバルーンである。当面はZEV対策により、2016~2020年頃には車種が増えて欧州を中心に右肩上がりで市場が拡大していくが、まだ試験運用の段階で、さらにその先、一般顧客向けに登場するEVがジワジワ普及すると予測する。

地域別概要

2030年の各国・地域別動向についても予測している。

日本は、HVが148万台、EVが34万台、PHVが11万台となる見通し。2030年には国内の自動車販売台数に占めるEVの比率が高まり、3タイプを合わせて44.6%を占める。2020年にはHVの車種が出揃い成熟期を迎え、2025年にはPHVとEVの構成比率が増加する。しかしPHVは車両価格や使い方さらにインフラに課題があり、HVの様には需要が拡大せず、2025年以降には一定の需要で停滞する。EVが2025年以降に軌道に乗り始めると、車庫登録制度など家庭充電を軸としたEV化を進め易い環境に向かうものの、世界一厳しい視点を持つ日本人を満足させるには現在の様々な課題を克服しなければならないと指摘する。

北米では2030年にHVが373万台、PHVが73万台、EVが81万台となり、国内の自動車販売台数に占めるEVが4.4%に増加し、3タイプ合わせて28.4%を占める。北米市場はZEV規制対策でPHV推進政策が奏功し、EVとPHVが一定の割合で市場を拡げていくが、本格的に市場が拡大するのは2025年以降となり、中大型車はHV、小型車はEVで市場を棲み分けると予測する。

欧州は2030年にHVが255万台、PHVが77万台、EVが130万台となり、国内の自動車販売台数に占めるHV(ディーゼルハイブリッドも含む)が18.2%まで増加、3タイプ合わせて33%を占める。EVのウエイトは都市部を中心に9.3%まで増加する。欧州市場は「CO2排出量95g/km」規制に対して一定量のHVやEVを投入して対応し、30年前後のEV時代まで切り抜ける。日系メーカーはHVで欧州の「CO2排出量95g/km」に対応が可能である。一方、欧州メーカーはEV比率を上げて排ガス規制をクリアし、未対応分はクレジットの売買や、罰則金を支払ってしのぐと予測する。

欧州市場はディーゼル車が自動車販売台数の約50%を占める。軽油が税制上優遇されていること、硫黄分の少ない上質な軽油、欧州人のエコ意識、成熟したディーゼルインフラなどが理由である。さらに欧州メーカーは、ディーゼル技術を得意としてきた。CO2排出量95g/km 規制によって十八番のディーゼル技術領域を捨ててガソリンハイブリッド車に移行することはない。ディーゼル車の一定量はHV、PHV、EVに置き換わり、伸びは緩やかになるが、減少に転じることはないと考える。

一方、中国は2030年にEVが57万台、HVが27万台、PHVが15万台となる見通し。中国は官主導でEV推進策を展開しているが結果が出ておらず、EVの需要増加が電力不足を招くため、今後はHVまで補助金枠を広げる動きもある。しかし中国メーカーの技術(制御技術)不足のため、EVをプッシュせざるを得ない。電動二輪車の需要が拡大するなか、今後15年頃より、EVさらにマイクロEVなど参入障壁の低いカテゴリー市場が拡大すると予測する。

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本調査は2012年10月~2013年1月にかけて実施。2012年に3タイプの次世代自動車が出揃い、市販化が進むとともに、これまでの淡い期待から一変して製品、インフラ、市場環境などあらゆる面から予想外の課題があらわになってきた。本調査では、その結果を踏まえ、今回の調査では、前年の調査に比べて、10年先送りの現状を踏まえた市場予測を行 い、力強い官民共同の取り組みの上に本格的な次世代自動車市場の到来を期待したと説明している。

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