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NEC、多数の蓄電池の充放電を遠隔から制御する新技術を開発

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NEC、多数の蓄電池の充放電を遠隔から制御する新技術を開発

NECは、住宅やビル等に分散して設置された多数の定置用蓄電池や電気自動車(EV)蓄電池を遠隔から直接操作し、個々の蓄電池の充放電を個別に制御する技術を世界で初めて開発したと発表した。

これまで、分散する多数の蓄電池を用いて急激に変化する需給バランスの調整をするには、各蓄電池の充放電などの時間を完全に同期する必要があるため、実現は困難と考えられてきた。今回、NECが開発した技術は、多数の蓄電池の同期を可能にし、新たな電力需給バランスの調整システムを実現する。

新技術は、(1)NEC独自のアルゴリズムで蓄電池の状態に応じた制御を行う「適応制御ソフトウェア」、(2)クラウド側のリモート制御と蓄電池側のローカル制御の2階層で構成される「階層協調制御システム」を中核にしている。これにより、分散蓄電池の台数によらず全体の同期をとりながら、需給バランスの秒周期の変化にも対応できる制御を行い、通信遅延などにも対応できる高信頼な「リアルタイムデマンドレスポンス(DR)」を可能にする。

現在、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの普及が推進されている。しかし、再生可能エネルギーによる発電は、天候に依存して発電量が急激に変動するため、普及拡大には、リアルタイムに電力需給バランスを調整する新たな仕組み(リアルタイムDR)が必要とされている。

今回開発した技術の概要は以下の通り。

1.独自の適応制御ソフトウェアにより、デマンドレスポンスの継続性を実現

NEC独自の適応制御ソフトウェアにより、クラウド側で各蓄電池の蓄電状態を集中管理し、蓄電状態に応じて充放電を各蓄電池に配分することで、蓄電池の満充電・枯渇を回避し、DRの継続性を実現。

2.独自の階層協調制御システムにより、DRの高信頼・リアルタイム制御を実現

クラウド側のリモート制御と蓄電池側のローカル制御の2階層で構成される階層協調制御システムを構築。クラウド側では、電力会社が要求する需給バランス調整の総容量と、適応制御から導出される各蓄電池の状態に応じて、十数分間隔で各蓄電池に充放電の分担を割り当てる。

同時に、蓄電池側では、各蓄電池に搭載したNEC独自の制御ソフトウェアで、全体の需給バランス状態をリアルタイムに把握しながら、各蓄電池の充放電の分担に応じて秒単位で充放電を制御する。

これらの制御においては、クラウドと各蓄電池との通信が十数分という長い間隔であるため、通信への依存が小さい。その結果、通信で一時的(通信間隔以内)に障害が発生しても制御の継続性を維持でき、高信頼でリアルタイムなDRを実現。

これらの技術により、再生可能エネルギーの活用時に求められる電力需給バランスの変動に合わせて、多数の需要家の蓄電池を最適なタイミングで継続的に充放電させることが可能となり、リアルタイムDRを始めとする、次世代電力システムの実現に貢献する。

リアルタイムDRは、アンシラリー・デマンドレスポンスを指す。アンシラリー・デマンドレスポンスとは、周波数調整、瞬動予備力、待機予備力などの電力供給の信頼度を維持するための予備力として蓄電池などの需要側資源を用いたデマンドレスポンスを活用するもの。

現在、この役割は火力発電、水力発電が担っているが、出力変動する再生可能エネルギーの導入増に対応して、より多くの予備力を確保する必要があり、コストを上げずに予備力を確保する方法としてアンシラリー・デマンドレスポンスが注目されている。

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