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昭和電工、レアアース不使用の「ネオジム磁石用合金」量産を開始

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昭和電工、レアアース不使用の「ネオジム磁石用合金」量産を開始

昭和電工は、レアアースの一種である「ジスプロシウム(Dy)」を使用せずに、従来品と同様の性能を持つFA(ファクトリーオートメーション、一般産業用)向け「ネオジム磁石用合金」の開発に成功し、量産を開始した。

新合金は、HDD用ボイスコイルモーターや風力発電用モーターに加え、より添加量の多いFA向けについても、Dyフリー化を実現したもの。また、ジスプロシウムの添加量が多い電動パワーステアリング用や電気自動車のモーターについても、同率でのジスプロシウムの削減を可能とし、将来の資源制約の問題を解決するものになると期待されている。

従来品および新合金の磁石用途別 Dy必要量(重量比での添加量)

従来品 新合金 磁石の主な用途
1% 0% 情報通信機器のモーター、スピーカー
2% 0% HDDのボイスコイルモーター、風力発電用モーター
4% 0%(今回実現) FA(ファクトリーオートメ―ション)
6% 2% 自動車の電動パワーステアリング
8% 4% ハイブリッド車や電気自動車のモーター・発電機

同社は、すでに2%添加品と同性能のDyフリー磁石用合金を量産しているが、今回4%添加品の性能まで向上させることに成功。来年には、6%添加品と同性能を持つDyフリー磁石用合金の開発を目指す。

一般的にネオジム磁石は、磁性を持つ主相と粒界相の2つの相を持つが、同社が開発したDyフリー磁石用合金で製造した磁石には、鉄を主成分とした第3の相が発生し、その第3相が保磁力を高めていると考えられる。

なお、新合金を用いた磁石製造は、従来の工程で対応可能なため、磁石メーカーでの新規設備の導入や工程の追加は必要ない。また、他の省ジスプロシウム技術を併用し、さらに添加量を削減することも可能。

磁石の磁力と保磁力(外部からの磁界に耐える力、耐熱性)は反比例の関係があり、高温下になるほど磁力は弱くなる。工業製品や自動車・産業機械の電動モーターには磁力の高いネオジム磁石が使用されているが、ネオジム磁石の耐熱性を高めるために、ジスプロシウムが添加されている。

ただし、ジスプロシウムはレアアースの中でも特に希少で、採掘される地域も中国の江西省、広東省、福建省などに限定されていることから、省エネルギーの進展等で高性能ネオジム磁石の需要増加が見込まれる中、将来の原料確保が不安視されている。

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