> > 京大、ロジウムより優れた合金を新開発 エネファームの耐用年数向上に期待

京大、ロジウムより優れた合金を新開発 エネファームの耐用年数向上に期待

記事を保存
京大、ロジウムより優れた合金を新開発 エネファームの耐用年数向上に期待

京都大学は、パラジウム(Pd)とルテニウム(Ru)が原子レベルで混ざった新しい合金の開発に成功したと発表した。このPd-Ruナノ合金は、価格が1/3、性能面でも優れたロジウム(Rh)などの代替金属として期待される。

低コストな自動車の排ガス浄化触媒として、家庭用燃料電池「エネファーム」の耐用年数を大幅に向上させる触媒としての利用が見込まれる。

従来PdとRuは2,000℃以上の液体の状態においても相分離する、言わば水と油の関係であり、原子レベルで混じらないのが常識だった。今回、ナノサイズ効果に注目し、化学的還元法により、PdとRuが初めて原子レベルで固溶した合金ナノ粒子を得ることに成功した。この合金は、周期表上でRuとPdの間に位置する最も高価なロジウムと等価な電子状態を持つことから、人工的なロジウムとして期待される。

家庭で使用されている燃料電池コジェネレーションシステム「エネファーム」では、金属Ru触媒が稀少金属の白金の耐被毒触媒として使用されている。

燃料電池のセルスタックに、一酸化炭素(CO)は大敵とされている。燃料電池スタック反応で重要な役割を果たす白金触媒に付着して、化学反応を妨げてしまうためで、これをCOによる「被毒」という。Ruは、金属表面上でCOとO2を反応させてCO2に変換し、COを酸化除去する性能が最も高い金属で、CO除去触媒としてエネファームに実用化されている。しかし、エネファームは2009年から販売開始となったがまだ5年しか経過しておらず、保証されている10年の耐用年数の有無はこのRu触媒の性能にかかっている。

今回、発見したPd-Ruナノ合金は、家庭用燃料電池エネファームで使用されている既存のRuの性能を大幅に凌駕するものであり、Ruに置き換わる革新的な新触媒として期待される。このことにより、燃料電池で使用されている高価な白金触媒の耐久性が向上し、エネファームの耐用年数が画期的に延びることが期待される。

また、Rhは最も有用な自動車の排ガス浄化触媒として使用されているが、その価格が課題になっている。今回開発されたPd-Ruナノ合金は材料費が1/3であり、かつ、Rhの触媒性能を超えることが予想される。今後、コストの関係でRhを使用できない場面においても今回開発した合金を用いることで、Rhと同等もしくはそれ以上の性能を発揮することが可能となる。

なお、今回の研究は、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)の研究領域「元素戦略を基軸とする物質・材料の革新的機能の創出」における研究課題「元素間融合を基軸とする新機能性物質・材料の開発」(研究代表者:京都大学 北川 宏 教授)の一環として行われた。

【参考】
科学技術振興機構 - 人工ロジウムの開発に成功

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.