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PV-Net、太陽光発電の課題・解決策をまとめたレポートを発表

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NPO法人太陽光発電所ネットワーク(PV-Net、本部:東京都文京区)は、再生可能エネルギー固定価格買取制度などの普及促進政策により、導入量が増えている太陽光発電について、その増加に伴い起きている課題やトラブル、解決策をまとめたレポート「太陽光発電の普及・促進の影で」を作成し公開した。

本レポートは、PV-Net調査研究室の吉田幸二主任研究員宅で起きた電圧上昇抑制の事例報告をベースに、太陽光発電システム(住宅用・産業用)における電圧上昇抑制の問題点や、自然環境・住環境への影響に対する解決策を、技術面と制度面から分析・提案している。今回まとめたレポート内容については、国や電力会社、認証機関等へ提言・要望するなどの活動を行っていく。

本レポートの概要は以下の通り。

電柱から工場までの電流の簡易図

電柱から工場までの電流の簡易図

野立ての事業用太陽光発電施設は住民や景観等に配慮した法改正を

事業用太陽光発電施設に関しては経済産業省には行政責任があり、電気事業法がカバーしていない部分については、そのことを経済産業省と国土交通省で確かめて、必要な法改正を行い、公共の福祉に資するべきと指摘する。特に、野立ての事業用太陽光発電施設の建設には法改正等により開発許可が不要であったり、チェックや監視の目が届かなく、地域住民不在の状態で進んでいる場合もあり、建設後に光害・騒音・電磁波(ラジオノイズ)が問題になる案件もある。

既に一部の自治体では地元協議を義務付ける規制や住民に与える影響と景観等に関する規制も始まっているが、早急に関係省庁と自治体が協力して現状調査を行い、法や条例等に不備・不足があれば早急に改正の検討を行うことを強く要望している。また、本レポートでは、トラブルのあった案件や、事業用太陽光発電施設の建設前から建設後のフォローまで地域住民との間で話し合いが持たれてスムーズに進んだ案件等を事例として紹介している。

住宅用太陽光発電システムは「電気が売れない」電圧上昇抑対策を

住宅用太陽光発電システムに関しては、太陽光発電協会(JPEA)、電力会社、電圧自動調整器や変圧器などの幹線機器メーカーやパワーコンディショナー(パワコン)メーカーなどが協力し、太陽光発電により発電された電力が電圧上昇抑制で制限されるとことなく、できる限り有効に活用されるように法や規則等の改正とともに早急な対応が必要と指摘する。

太陽光発電システムで逆潮流によって電力会社の系統側へ流すには、電力会社からの供給電圧より電圧を高くする必要がある。電圧上昇抑制とは、電力会社からの供給電圧よりもパワコンが同電圧ないしは低電圧となり電気の移動が起きないので「電気が売れない」という事態になることをいう。連系接続先である電力会社の配電網の需要や供給の変動に伴った電圧変動により、電圧上昇抑制が発生する可能性がある。

レポート内では、電圧上昇抑制が発生した事例を詳細に解説している

レポート内では、電圧上昇抑制が発生した事例を詳細に解説している

本レポートでは、電圧上昇抑制の解決策として以下を提案している。

住宅用太陽光発電システムの場合

  • 電力会社からの供給電圧の制度改正。電圧上昇抑制により太陽光発電システムの発電能力が抑制されないような法や規則等の改定・標準化を提案
  • 系統連系保護装置認証基準の改定。電圧上昇抑制の発生がコンソールや表示器に表示するとともにパワコン内に記録され、ユーザーが発生状況の確認ができる仕様となるよう、JET(一般財団法人電気安全環境研究所)の定める系統連系保護装置認証基準の改定を提案
  • 電圧上昇抑制の早期発見に向けて注意を喚起。すべての住宅用太陽光発電システムの設置者に対して、電圧上昇抑制と整定値に関する情報公開と注意喚起が必要。電力会社にもパワコンメーカーなどと協力して電圧上昇抑制の実態把握を行い、太陽光発電システムから発電された電力が最大限有効に活用されるよう改善等を行う必要がある。

産業用太陽光発電システムの場合

大規模太陽光発電設備においては、電力会社の送電網に接続できる容量等に上限が設けられているが、産業用太陽光発電施設から送電される電力の電圧変動が同じ幹線に接続されている住宅用太陽光発電システムに対して、電圧上昇抑制が起きる可能性があることから、これについても産業用太陽光発電建設の判断基準に盛り込むこと等を提案する。

太陽光発電所ネットワークについて

太陽光発電所ネットワーク(略称PV-Net)は、住宅に太陽光発電を設置した「太陽光発電所長」が参加するNGOとして2003年に発足。現在はNPO法人となり全国各地の約2,700名の会員が参加している。ほとんどの会員が自宅等に太陽光発電を設置している個人だが、太陽光発電に興味があるけれど設置していない方や、設置を検討中の方、太陽光発電を応援している自治体なども参加している。

【参考】
PV-Net - 「太陽光発電の普及・促進の影で」を作成・公開しました

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