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GSユアサ、リチウムイオン蓄電池の新しい正極材料開発 容量増加に一歩前進

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GSユアサ(京都府)は、従来のリチウムイオン電池用電極材料に比べて8倍の容量を持つ「硫黄-多孔性カーボン複合体」正極材料、及び、高い容量をもつシリコン系負極材料を備える次世代リチウム二次電池の放電に成功した。

この電池の放電特性から、正負極材料質量あたりのエネルギー密度は、従来のリチウムイオン電池のものに比べて3倍であることが分かった。これはこの電池を電気自動車(EV)に使用すれば、その走行距離が大幅に延びることを意味する。今後は、シリコン系負極の耐久性能を高めたのちに、この電池の実用化技術開発を進め、2020年のサンプル出荷を目指す。

なお、「硫黄-多孔性カーボン複合体」に関する成果の一部は、11月19日~21日に国立京都国際会館で開催される「第55回電池討論会」で発表される。

今回の高いエネルギー密度は、硫黄を含む正極の高容量化技術により実現した。硫黄は低コスト、資源的に豊富、無害であることに加えて、1675mAh g-1の高い理論容量をもつことから、次世代リチウム二次電池の正極材料として期待されている。しかし、硫黄が絶縁体であるため、その電極反応における硫黄の利用率が低い結果、期待される高容量を得ることが難しいという問題を有している。

これまでこの問題に対して、多孔性カーボン担体の孔中に硫黄を充填することで、硫黄に良好な電子伝導性を付与する技術が提案されてきたが、その孔径が大きく不均一なことから、硫黄の分散性が低くなり、硫黄への十分な電子伝導が付与されない結果、正極材料質量あたりの容量は800mAh g-1以下にとどまっていた。

同社は、ナノオーダーの均一な細孔をもつ多孔性カーボンの孔に硫黄を充填することによって、1000mAh g-1を上回る容量をもつ「硫黄-多孔性カーボン複合体」の合成に成功した。さらに、反応中間体(多硫化物)が電解液へ溶解・拡散するという硫黄のもう一つの問題の解決のために有効な技術の開発に成功し、その技術を適用することで、この「硫黄-多孔性カーボン複合体」電極の容量低下を大幅に抑制した。

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