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再生可能エネルギー接続保留問題の現状と対策セミナー開催

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再生可能エネルギー接続保留問題の現状と対策セミナー開催

11月20日、TKPガーデンシティ竹橋ホールで、再エネ業界(主に太陽光)のメーカー、販社・施工会社・発電事業主を対象に、環境ビジネス主催「再生可能エネルギー接続保留問題の現状と対策セミナー」が開催された。9月下旬に九州電力が接続保留を発表して以来、太陽光発電ビジネスに不安と困惑が広がる中、12月に発表されるであろう経済産業省のコメントを前に、この問題に対して理解を深め、対策を講じるため、情報を整理、収集しようとする参加者が多く見受けられた。

セミナーは4部構成で、第1部が経済産業省 新エネ課 青木課長補佐を招き「再生可能エネルギーを巡る現状と課題」というテーマで、第2部が環境エネルギー政策研究所(ISEP)理事 松原氏による「接続料金問題の考え方と接続可能性問題」について、第3部では環境ビジネスオンラインのコラムでもお馴染みの関西大学 システム理工学部 准教授 安田氏による「自然エネルギーの導入現状と電力会社の対応」、第4部では立命館大学大学院 客員教授 村沢氏による「保留を回避するための対応策と考え方」について講演を行った。

第1部の経済産業省 新エネ課 青木課長補佐は、固定買取価格制度の導入の経緯について解説した後、現在の再生可能エネルギーの導入状況について説明。九州電力の状況もふまえ、経済産業省で行っているワーキンググループの進捗などについても語った。

第2部の環境エネルギー政策研究所 松原氏は、接続保留問題に対して、日本の電力供給構造の推移や太陽光発電の日独比較などを通して解説し、風力発電や地熱発電、小水力発電などのポテンシャルについても詳しく紹介した。最後に、松原氏は「一部電力会社の系統連系『回答保留』に対する意見と提言」という形で、1.自然エネルギーベースの系統運用に転換、2.地域主導(とくに福島・東北)の自然エネルギーを優先、3.送変電設備の増強・新設の負担のあり方を見直し等、一連の九電ショックについて意見と提言を行った。

第3部の関西大学 システム理工学部 准教授 安田氏は、接続保留問題についてグローバルな視点から世界の常識と日本の非常識について解説。「ヨーロッパでは、再生可能エネルギーの導入率が10%を超えている企業がザラで、デンマークでは30%を超えている。数%で接続保留をすることはおかしい、日本の接続技術の限界を暗に示しているのと同じ」と講演した。

また、出力抑制についても言及。技術的には簡単に解決できるが、「制度の問題ですぐには実現困難」とした。現行のFIT省令では「30日」までは出力抑制による損失を補償しないと明記。しかし、接続保留問題で30日以上補償しない可能性もでており、発電事業者にとってはリスクが高まることが予想され非常に不安に思っている現状を紹介。安田氏はこれに対して、異を唱えた。安田氏曰く、「実際には、抑制に必要なのは本当にピーク時のみで、時間にして100~200時間程度。1日中抑制すると誤解されている」。30日は年間365日に対して8.2%、200時間は年間8760時間に対して2.3%。「日」評価は電力会社・発電事業者がお互いに疑心暗鬼になっている。時間数もしくは損失kWhで評価すべきとした。

第4部の立命館大学大学院 客員教授 村沢氏は、原発再稼働はいかにリスクが高いかを身近な事例をもとに解説。その上で日本のエネルギー源は太陽光発電しかないと強く断言した。ソーラーシェアリングや水上ソーラー、砂漠を活用した太陽光発電、さらには地球をソーラーパネル衛生が周回し、1日中発電できる「宇宙衛星発電」まで、様々な事例を紹介し、太陽光発電の可能性に迫った。

各講演者は、環境ビジネスオンラインのコラムニストを務めているが、最新動向を踏まえたコラム記事を、今後も執筆していく予定であるので、注目してほしい。

【参考】
松原 弘直氏 - 自然エネルギーの中長期的な普及を実現する系統連系問題の解決を
安田 陽氏 - 風力発電 大量導入への道
村沢 義久氏 - クローズアップ・マーケット

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