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再エネ電力のコスト、火力発電などの「安定化」費用を含める方向へ

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経済産業省は、3日、各電源をどのような割合で利用するかを示すエネルギーミックスの議論の参考とするため、各電源の発電コストの試算を行う有識者会議、発電コスト検証ワーキンググループ(WG)の第2回会合を開催した。

本会合では、再生可能エネルギーや火力発電などの試算に関する論点等を整理した。主な内容は以下の通り。

再エネ導入に伴う系統安定化費用の考え方について

再エネに関する議論では、再エネ導入に伴う系統安定化費用の考え方について(案)が示された。系統安定化費用については、1.火力発電・揚水発電に関する調整費用、2.再エネに係る地域間連系線等の増強費用、のコストについて検討する案が盛り込まれている。

このうち、地域間連系線の増強費用等の項目については、長期エネルギー需給見通し小委員会において検討することとし、上記1の項目については本WGで議論することとしている。

火力発電・揚水発電に関する調整費用としては、(1)火力発電の稼働率低下による発電効率の悪化等に伴う費用、(2)火力発電の停止・起動回数の増加に伴う費用、(3)自然変動電源発電時に、揚水式水力の動力によって需要を創出することによる費用、(4)発電設備を自然変動電源対応のために確保しておくために必要な費用、があげられている。

再エネ等の発電コストの考え方

本会合では、再生可能エネルギー、コージェネレーションシステム燃料電池についての発電コストの考え方について整理をした。

再エネの発電コストの諸元の考え方については、調達価格等算定委員会において示された、各電源の2015年度の調達価格の算定に用いられた諸元を、本WGにおける2014年モデルプラントの発電コスト検証の諸元とする案が示された。また、将来のモデルプラントの発電コストの考え方については、太陽光及び風力は、量産効果による価格低下の効果などを加味すること、地熱・水力・バイオマスは、発電コストに大きく影響するような技術革新・量産効果は現時点では想定していないため、 2020年・2030年時点のモデルプラントにおいても、2014年モデルプラントと同じ諸元を用いる案が示されている。

コジェネについても、基本的な考えは、前回のコスト等検証委と同様と捉えている。家庭用燃料電池については、将来に向けた技術開発により、発電効率向上、およびコスト低減が見込まれていることから、これらを見込んだ数値を将来の諸元とする考えだ。

火力発電の試算に関する論点について

火力発電については、2011年のコスト等検証委員会のモデルプラント方式による試算の考え方を踏襲することから、基本的にはデータを機械的に更新することが中心となるが、最近の情勢を踏まえつつ、一部の諸元についての考え方について見直しが必要となる。そのうち、化石燃料価格については、為替(円安)や直近の原油価格下落の影響などを加味するために、2014年暦年の平均値とすることが適当との方向性が示された。

また、再エネの導入拡大に対応して、火力発電の出力抑制が多くなると予想されている。昨年12月、系統ワーキンググループにおいて示された接続可能量算定においては、太陽光・風力発電を優先的に稼働させることによって、需要の低い時期には、各電力会社管内において、火力発電の設備容量の9割程度が抑制・停止するという算定結果が出ている。こうした火力発電の抑制によって、年間で見た火力発電の設備利用率についても、現状と比べ、一定程度減少することを考慮すべきだとしている。

今回のコスト検証の方針(案)について

本会合では、今回のコスト検証の方針(案)が示された。試算の方法は、各電源の発電コストについては、将来の見通しを示すことが可能なモデルプラントをベースとした試算を行う/但し、現在の電力供給構造から将来の電力供給構造に転換していくために必要となるコストについては、現在の資産構成との関係を踏まえつつ、試算を行う/また、各電源の発電コストについて、将来の電力供給構造において各電源が果たす役割を踏まえて理解することができるよう、試算結果の示し方について配慮する、としている。

【参考】
経済産業省 - 総合資源エネルギー調査会総会

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