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政府、電力の転売ヤーを防止する措置など議論中

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政府、電力の転売ヤーを防止する措置など議論中

経済産業省は、18日に、電力の小売全面自由化後の固定価格買取制度(FIT)における回避可能費用の算定方法について検討する買取制度運用ワーキンググループ(第6回)を開催した。

前回の議論では、新たな回避可能費用単価の指標として、スポット市場と1時間前市場の加重平均(30分値をそのまま用いる)を用いること、また、小売全面自由化後の回避可能費用は、全ての小売電気事業者(現一般電気事業者と現新電力)で同様の扱いとすること等で概ね意見がまとまった。

今回は、1.既存案件の回避可能費用に係る経過措置の必要性と内容、2.インバランスリスク単価の具体的な水準について議論した。

回避可能費用は、法律上、「再生可能エネルギー電気の調達をしなかったとしたならば当該再生可能エネルギー電気の量に相当する量の電気の発電又は調達に要することとなる費用の額」と定義されている。

主な議論の内容は以下のとおり。

既存案件の回避可能費用に係る経過措置

小売電気事業者の買取・販売と国民負担との関係(イメージ)

再エネをFIT+プレミアム価格で買い取っている事業者は特に影響がない
※画像クリックで拡大

原則として、小売全面自由化後は、回避可能費用が市場価格連動に移行する場合は、既存案件含めて移行することを基本とし、他方、その際に生ずる課題に対し、最小限の例外(移行のための激変緩和措置)を設けるべきとの考えが盛り込まれている。

課題として、主に新電力の観点からの既存小売契約への影響や、一部の新電力等による買い取った電源をそのまま取引所で売却している不当な裁定取引への対応があげられた。

既存小売契約への影響では、現状の回避可能費用を前提に再エネを買い取り、需要家との関係でも(市場価格より安い調達を前提に)小売契約を複数年度で売買している例がある。そのため、来年度から一切の経過措置なしで市場価格連動に移行するならば、特に供給力に占めるFIT電源の割合が高い新電力にとって、短期的には小売価格への反映が難しく、社会的混乱を招きかねないとしている。

回避可能費用見直しに係る激変緩和措置案のイメージ

中長期的には、(現行の回避可能費用の考え方の前提となる)総括原価方式も廃止される中で、事業者が既存小売契約の見直しを行うことと合わせ、既存案件の回避可能費用も市場連動に移行していくべきとの意見が示されている。したがって、既存買取契約について、当面の間(例えば5年程度。遅くとも経過措置料金の廃止まで)、現状の回避可能費用を適用するという案が示された。(※下図の対応案B-1)。

不当な裁定取引の防止策を講ずることや、小売全面自由化後、様々な環境変化が想定されるため、それを踏まえた回避可能費用の見直しが行われた際、原則として、見直された回避可能費用をその時点での既存案件も含めて適用するなどの留意事項も示された。

インバランスリスク単価の水準(試算)

電力の需要量と供給量との差分を「インバランス」という。これまで新電力(PPS)には、作成した発電計画に対し「30分同時同量」(30分単位の需要量と供給量の差を±3%以下にすること)が課せられてきた。大きなインバランスが生じてしまった場合は、PPSが系統管理者(現:一般電気事業者)にペナルティ料金を支払う必要があるが、これを「インバランス料金(インバランスリスク)」という。

事務局がインバランスリスク単価を暫定的に試算した結果、インバランスリスク単価は以下のとおりとなった。

  • 太陽光・風力
    1.13円×12.5%=14銭/kWh
  • 地熱・バイオマス・水力
    1.13円×0.8%=1銭/kWh

事務局が提示した前回の議論で概ね収斂した主な事項

1.回避可能費用として使用すべき市場価格指標

  • スポット市場と1時間前市場の加重平均(30分値をそのまま用いる)
  • スマートメーターによる30分値が利用できない場合は、プロファイリングで対応

2.回避可能費用を設定する上で考慮すべき事項

  • 通常時はシステムプライスを採用するが、市場分断が生じる場合はエリアプライスとする。
  • 離島の場合は、市場価格連動ではなく、一般送配電事業者のエリアごとに、離島の需給調整に用いる調整力の実コストをもとに算出する
  • 回避可能費用が買取価格を上回る場合、原則、買取義務者が費用負担調整機関に対し、回避可能費用と買取価格の差分を支払う(実際には、交付金の算定の際に相殺する)。ただし、離島の場合は、交付金の申請を行わないこととし、回避可能費用と買取価格の差分だけ、離島供給コストとして託送料に上乗せされる費用を圧縮する。
  • 小売全面自由化後は、全ての小売電気事業者(現一般電気事業者と現新電力)で同様の扱いとする。

3.変動性電源と非変動性電源の扱い

  • 両者に差を設けない(ただし、将来において、容量市場が整備された場合には、必要に応じて、その価格を長期契約の回避可能費用に反映する)。

4.インバランスリスク単価についての考え方

【参考】
経済産業省 - 総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 新エネルギー小委員会 買取制度運用ワーキンググループ(第6回)

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