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電力自由化後、「接続拒否」の条件はどうする? 政府が議論中…

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経済産業省は7日、小売全面自由化に向けた固定価格買取制度(FIT)の運用見直しについて議論をしている買取制度運用ワーキンググループ(第7回)を開催した。

今回の議題は、1.小売電気事業者による特定契約の応諾義務(買取義務)の例外、2.送配電事業者による接続契約の応諾義務(接続義務)の例外、3.小売全面自由化に伴う出力制御等の現状の整理(報告)。

主な議論の内容は以下のとおり。

小売全面自由化に伴い、「一般電気事業者」がなくなる?

発電事業者などがFITを使って電気を売るためには、国から受ける設備認定とともに、電力会社と協議を進め「特定契約・接続契約」を結ぶ必要がある。

小売全面自由化後は、電気事業者の事業類型が見直され、現行の一般電気事業者は、各事業の内容や機能に応じ、一般送配電事業者・小売電気事業者・発電事業者として法律上位置づけられることとなる。これに伴い、FITにおける主な買取義務者は小売電気事業者(エリア概念なし)となり、主な接続請求電気事業者は一般送配電事業者になる。

いわゆる「接続拒否」の条件はどうなる?

現行の再エネ特措法施行規則における特定契約の応諾義務の例外については、以下の表のとおり、6つの要件を規定。

現行の再エネ特措法施行規則における特定契約の応諾義務の例外

一般電気事業者 新電力
(1)電気事業者の利益を不当に害する(虚偽記載、法令違反など)おそれがある場合 (1)電気事業者の利益を不当に害する(虚偽記載、法令違反など)おそれがある場合
(2)再生可能エネルギー電気の検針方法、代金の支払方法等に同意しない場合 (2)再生可能エネルギー電気の検針方法、代金の支払方法等に同意しない場合
(3)振替補給費用の負担に同意しない場合 (3)振替補給費用の負担に同意しない場合
(4)地理的条件(離島等)により電気の供給を受けることが不可能な場合 (4)地理的条件(離島等)により電気の供給を受けることが不可能な場合
(5)変動範囲内発電料金等を追加的に負担する必要が生じることが見込まれること
(6)特定契約電気事業者が事業の用に供するための電気の量について、その需要に応ずる電気の供給のために必要な量を追加的に超えることが見込まれること

このうち、新電力にのみ、(5)変動範囲内インバランス料金と、(6)小売需要との関係を理由としたものを規定しており、現在は一般電気事業者と新電力で扱いが異なる。小売全面自由化に係る環境変化の下、今後の小売電気事業者の応諾義務の例外をどのように設定すべきかが論点となる。経産省が示した資料では、以下の方向性が示されている。

理由(1)の法令違反等、(2)の検針方法等への不同意、(4)の地理的条件による供給不可能

特段見直す必要はない。

(5)変動範囲内発電料金等の追加負担について

小売全面自由化後のインバランス料金は、市場連動となっており、変動範囲内発電料金の概念がなくなる上、いわゆるFITインバランス特例(1)を選択した場合、小売電気事業者は負担のないインバランス料金(回避可能費用)でインバランス精算が可能となる。したがって、特定契約締結にあたってインバランスの発生を考慮する必要はないのではないか。

理由(3)の振替補給

振替補給は、地域をまたがって電気を送電する場合に、事前に通告のあった電力量に比べて実際の発電量に不足分があれば、一般電気事業者が不足分を補給した上で会社間連系点に供給する制度。現状、このときの費用については、いったん買取義務者が負担し、その後、特定供給者に請求することとなっている。

小売全面自由化後は、あらかじめ定めた計画値との過不足は、振替補給ではなく、発電インバランスにより調整されることとなるため、振替補給の概念がなくなる(一般送配電事業者と小売電気事業者の間で、発電量調整供給契約が締結されることとなる)。したがって、買取りにあたって考慮すべきなのは振替補給による負担ではなく、小売事業者が、買い取った電気を需要家に販売できる状態であるか(連系線の利用が可能か)といった点に着目すべきではないか。

(6)需要等の規模に着目した特定契約の応諾義務の例外

再エネ導入や、新規参入者等の競争条件に悪影響を与える等の特段の事情がない限り、回避可能費用の議論と同様に、原則として小売電気事業者間でイコールフッティングとすべきではないか。また、小売全面自由化後は、接続契約と特定契約の相手が概念上、分かれることになる中で、再エネ発電設備が接続契約を締結し系統に接続できるにも関わらず、特定契約が締結することができないという事態が生じないよう検証しつつ、特定契約の応諾義務の例外を設定する必要があるのではないか。こうした点も踏まえつつ、当面の運用として、需要等の規模に着目した応諾義務の例外の要否、内容等について具体的に検討する必要があるのではないか。

受け入れ可能な電力で「接続拒否」できるようにすべきか?

3つの論点が示された。

  1. 接続契約は、現在の指定電気事業者制度の下では、kWの上限なく受け入れることとしているが、特定契約について、需要等の規模(kW)に着目した特定契約の応諾義務の例外を設けることが適当か。
  2. 仮に需要等の規模(kW)に着目した特定契約の応諾義務の例外を設ける場合に、具体的にどのような上限とすべきか。
  3. 需要等の規模(kW)に着目した特定契約の上限を設ける場合には、小売電気事業者間のイコールフッティングの観点からすべての小売電気事業者を対象とすべきではないか。他方、小売電気事業に新規参入する小規模な事業者等については、参入当初は需要規模が明確ではないため特定契約の上限の設定が難しいことなどを踏まえれば、新規参入の小規模な事業者等については、一定の配慮をすべきか。

そもそも「接続契約の応諾義務」の例外とは?

現在の一般電気事業者は、垂直一貫体制の下、再エネ特措法第5条において接続義務が課されており、法による定めのほか、施行規則第6条で定められる正当な理由を除き、接続請求電気事業者として、接続の請求を拒むことができないこととなっている。

現行の施行規則上は、接続請求電気事業者は送配電部門の機能に着目した存在として規定されているため、小売全面自由化後は基本的に一般送配電事業者を接続義務の対象とすれば問題がないと考えられる。

他方、現行の施行規則第6条は、接続請求電気事業者が所有、または調達する発電設備に着目して「回避措置」や「指定電気事業者」を規定しているが、小売全面自由化後は「優先給電ルール」の見直しにより新電力の火力電源についても再エネ発電設備に先立って、優先給電指令が発動されることになる。したがって、今後は一般送配電事業者の発電設備のみならず、各送配電事業者のエリアに存在する発電設備全体に着目した「回避措置」に見直す必要があるのではないか。

第7回本WGの議論の位置づけ

電力システム改革により、2016年4月1日より、電力の小売全面自由化の実施が予定されている。これに合わせ、FITを通じた再生可能エネルギー電気の導入と電力の安定供給の確保を両立した上で、現行再エネ特措法施行規則について、所要の見直しを行う必要がある。

具体的には、既に本WGで議論した回避可能費用以外に、主に特定契約の応諾義務の例外や接続契約の応諾義務の例外について、電力システム改革での改正内容を踏まえ、小売電気事業者の競争上の影響にも考慮しながら、検討を行う必要があるとしている。

【参考】
経済産業省 - 総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 新エネルギー小委員会 買取制度運用ワーキンググループ(第7回)

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