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固体酸化物形燃料電池(SOFC)の発電効率を45%→80%に高める新技術

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固体酸化物形燃料電池(SOFC)の発電効率を45%→80%に高める新技術

九州大学は、東京ガス(東京都港区)との共同研究で、高効率発電を特長とする固体酸化物形燃料電池(SOFC)の発電効率をさらに飛躍的に向上させる革新技術の理論設計に成功した。

SOFCの2つ以上のセルスタック(セルの集合体)を燃料の上流から下流へ燃料の流れに沿って多段に配置した構成において、固体電解質内部の電荷担体(イオン)を従来の酸化物イオン(O2-)からプロトン(H+)に置き換えた場合に、発電効率として80%LHVを超える超高効率が発現することをそのメカニズムとともに世界で初めて示すことに成功した。

さらに、解析結果の検証のため、超高効率を示した構成を用い、メタン燃料を0.01mol secの-1乗の流量で供給し電気エネルギーに変換する反応システムの数値実験を実施した結果、超高効率発電を数値実験にも高精度に再現した。

このような超高効率で行われる化石燃料から電力へのエネルギー変換は、CO2の排出削減に大きく貢献し、環境性の高いスマートエネルギー社会実現に向けた基幹エネルギー技術として期待される。また、超高効率発電では、発電時に発生する排熱が少ないため、熱の利用を必ずしも前提とする必要性がなく、市場適用性の極めて高い分散発電技術になると考えられる。

今後は、この超高効率発電実現のキーとなる高いプロトン輸率を有するプロトン導電性酸化物の開発とそれを電解質材料に用いた多段酸化SOFCの研究開発に取り組む。

2段酸化の各ステージにおける平衡組成と電気化学反応パラメータ

2段酸化の各ステージにおける平衡組成と電気化学反応パラメータ

燃料電池は燃料の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換することが可能で、次世代の高効率エネルギー変換技術として注目されている。燃料電池の中でも特に発電効率が高いSOFCはセラミック材料で構成され高温下で動作することから、多様な燃料を電気エネルギーに変換することができる。

近年、シェールガス、シェールオイルなどの非在来型の化石燃料が新たな天然ガス資源や石油資源として開発されるなかで、化石燃料の高効率でクリーンな利用技術の必要性が高まっている。化石燃料の中でもメタンを主成分とする天然ガスは、炭素成分が少なく環境性が最も高い燃料として注目されている。

家庭用や業務用に実用化されているSOFCシステムは、この天然ガスを主成分とする都市ガスを主な燃料とし、45~55%LHV程度の発電効率を実現している。この発電効率は現状の分散型電源としては最高効率だが、大規模な普及に向けて、さらなる高効率化・環境性の向上が望まれている。

なお、「LHV」はLower Heating Valueの略で、燃料の燃焼熱に水分の凝縮熱を含めないときの効率値。「可変構成パラメータ」は、技術の構成条件のうち変更可能な数値を与えることが可能なもの。例えば、上流側セルスタック内セル数と下流側セルスタック内セル数の比率、各セルスタックでのそれぞれの燃料利用率など。

【参考】
九州大学 - 燃料電池の効率を飛躍的に高める革新技術の理論設計に成功!(PDF)

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