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電力自由化後、系統設備増強に必要な費用はどうなる? 経産省が指針示す

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電力自由化後、系統設備増強に必要な費用はどうなる? 経産省が指針示す

経済産業省は7月28日に開催した、電力の小売全面自由化に係る制度設計に関するワーキンググループ(第14回)を開催し、ウェブサイト上で資料を公開した。

今回のワーキンググループでは、電力システム改革に残る下記のような論点が挙げられた。

  • 電力広域的運営推進機関の活動状況(報告)
  • 電力系統の増強・敷設に係る発電事業者の費用負担に関するガイドライン等について
  • 卸電力市場の活性化策について
  • 卸電力取引所の指定法人化について
  • 小売全面自由化に係る詳細制度設計について
  • 小売全面自由化後の供給計画・需給計画について
  • 小売全面自由化に向けた検証の進め方について

このうち、今後再生可能エネルギーの導入拡大に向けて引き続き必要な、電力系統の増強・敷設費用のうち、発電事業者などが負担する分については事務局から「指針(案)」が提出された。これは、前回(第13回)でガイドラインを策定すると示されたもの。

「指針(案)」の概要は下記の通り。

「電源線」ではなく「ネットワーク側」の設備増強

まず、今回示されている指針は、各発電所から系統へ電力を送電するための「電源線」に関するものではない。電源線については、経産省による平成16年の「電源線省令」において示される定義・考え方を引き続き適用する。

今回示された指針は、発電事業者から見て、電源線より先の、ネットワーク側の送配電設備に関する費用負担の考え方だ。

今回の指針の対象(イメージ)

今回の指針の対象(イメージ)

「基準額」を超えても発電事業者が負担

ワーキンググループが示した今回の指針は、この「ネットワーク側」の設備増強においても、「受益者負担」を基本としている。つまり、設備増強によって特定の発電事業者が受益する場合は、その範囲に応じて事業者が費用を支払う「特定負担」とし、特定の発電事業者が受益すると言えない場合は、電気料金とともに費用を回収する「一般負担」とする。

だが、「一般負担」に関しては、今回の電力システム改革により新しく発足した、「電力広域的運営推進機関」が指定する基準額を超えてしまった場合、上記に関わらず「特定負担」が発生する。まとめると下記の通り。

1.特定負担額・一般負担額の算出

  1. ネットワーク側の送配電等設備のうち、基幹系統を構成する送変電等設備の増強等にかかる費用については、原則として一般負担。
  2. 基幹系統以外の送配電等設備の増強等にかかる費用については、以下の観点から、特定負担とすべき額(以下「特定負担額」という。)及び一般負担とすべき額(以下「一般負担額」という。)を算定。
  1. 設備更新による受益
  2. 設備のスリム化による受益
  3. 供給信頼度等の向上による受益

2.一般負担の限界

一般負担額のうち、「ネットワークに接続する発電設備の規模に照らして著しく多額」として電力広域的運営推進機関(以下「広域機関」という。)が指定する基準額を超えた額については、上記にかかわらず、特定負担。

3.一般負担とされた費用の一般電気事業者間での精算

特定の発電設備の設置に伴い当該発電設備が立地する供給区域のネットワーク側の送配電等設備の増強等をする場合で、他の供給区域へ発電した電気を送電する場合における増強等費用については、事業者間精算制度により精算。

「基幹系統」かそうでないか、費用算出の計算式は…

今回示された指針には、上に挙げた基本的な考え方のほか、「基幹系統」と「基幹系統ではない部分」に関する指針や、増強費用が相対的に小さい地域のネットワーク側からの情報提供、耐用年数を超えていない場合の設備更新費用の計算方法、既設発電設備のリプレースにおける費用負担の新ルール(案)なども示されている。

まず、増設箇所が基幹系統かそうでないかが大きな分かれ目となる

まず、増設箇所が基幹系統かそうでないかが大きな分かれ目となる

また、現行の電源線省令においても、「ループ状に設置された基幹的な送電設備、その他特定の電源に係る送電を目的としない送電設備については、電源線には含まない」など、関連法令に関する解説も含む。

いくつかあるパターンのうち、「耐用年数を超えて利用している送電線の増強等が必要となった場合」。

いくつかあるパターンのうち、
「耐用年数を超えて利用している送電線の増強等が必要となった場合」。

今回の「指針(案)」の原文は下記リンクから見ることができる。

【参考】
経済産業省 - 電力システム改革小委員会 制度設計ワーキンググループ 第14回配布資料

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