> > 埼玉県の下水汚泥、今度は水素になって燃料電池車を走らせる計画

埼玉県の下水汚泥、今度は水素になって燃料電池車を走らせる計画

記事を保存
埼玉県の下水汚泥、今度は水素になって燃料電池車を走らせる計画

埼玉県上田清司知事は9日の会見で、下水処理場から排出される下水汚泥から水素を製造する取り組み等について紹介し、下水処理施設に併設した水素ステーションを4カ所設置する構想を明らかにした。

10日が下水道の日であることにちなみ、県が管理している流域下水道について理解を深めてもらうことを目的に、下水汚泥を固形燃料に加工する取り組みに続く、同県の最近の取り組みについて紹介した。

下水汚泥を活用したバイオガス発電

埼玉県では、下水汚泥を活用したバイオガス発電によるポテンシャルとして、メタンガスの発生量は年間約最大で1,300万Nm3(ノルマル立方メートル)を見込む。可能発電量は最大で年間2,500万kWh。一般家庭の5千世帯分の電力量に相当する。この発電による温室効果ガス削減量は最大で年間1万2千トン(一般家庭の約2,300世帯分)と試算している。

埼玉県では、2019年(平成31年)度に元荒川、中川の水循環センターで、下水汚泥を活用したバイオガス発電を開始し、その後新河岸川、古利根川水循環センター等へ拡大していく計画である。

処理場に太陽光発電を導入

下水処理場の処理スペースを活用した太陽光発電事業では、来年から中川の水循環センターと小山川水循環センターの2カ所で発電を開始する。2カ所の設置面積は約.37haで、発電量は400万kW(一般家庭800世帯分)を見込む。

下水汚泥を活用して水素を供給

下水汚泥から水素を製造・供給する取り組みも話題となっている。これは下水汚泥から消化タンクを通じてメタンガスを発生させ、そのメタンガスを水素に切り替えてCO2フリーの水素を製造するものである。

下水処理場を水素ステーションに

下水処理場を水素ステーションに

現在、埼玉県では2020年(平成32年)の供用開始に向けて中川の水循環センターで事業化のモデル調査を実施している。本調査では、「水素ステーション設置に関する調査」「水素サプライチェーン構築に関する調査」「事業収支と実現化方策の検討」を行っている。

上田知事は、水循環センター内の水素ステーションで、燃料電池車等に水素を供給する取り組みは、「基本的に可能だという方向性がもう基本的に見えてきている。従って、県内には現在9基の水素ステーションがあり、これを2025年(平成37年)までに30基つくる予定だが、それに加えて4カ所でステーションができるという形も考えられる」と語った。

上田知事は、この取り組みを発信することで、全国で2,140カ所の水素ステーションの可能だという。「一般的には水素のタンクは海岸部にあるので、内陸部でもそういうことが可能になるということを先駆けて埼玉県で証明していこうと考えているところ」と述べた。

流域下水道と公共下水道について

下水道には、市町村にまたがる流域について都道府県が管理する「流域下水道」と、市町村が管理する「公共下水道」がある。埼玉県の流域下水道では8流域に9の処理場があり、47市町をカバーしている。処理の人口は県の人口の7割、約530万人分である。

下水処理をするプロセスの中で排出される汚泥からは、固形燃料、建設の資材、水素等の製造に活用されている。上田知事は、「こういう下水処理に関してまさに包括的に資源循環のサイクルをきちんとつくるのが、流域下水道だということも理解してほしい」と述べた。

【参考】
埼玉県 - 知事記者会見 下水道資源の有効活用

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.