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経産省・電力自由化の最新動向 小売電気事業者の業種別一覧も公開

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経済産業省は27日、来年4月の電力小売りの全面自由化に向けて、電力システム改革の実施状況の検証等を行う場として設置した有識者会議、電力基本政策小委員会の第1回委員会を開催した。

第1回委員会では、(1)小売全面自由化に向けた検証の進め方、(2)小売全面自由化に向けた事前準備の進捗状況、(3)電力会社におけるシステムの開発・整備状況およびスマートメーターの設置状況、について、経済産業省より資料が提示された。

2016年4月に家庭や小規模オフィス向けなども含めた電力小売りが全面自由化される。これに先立ち、経済産業省は、8月3日より、すべての消費者に電気を販売できる「小売電気事業者」の申請受付を開始した。電力取引監視等委員会に対する意見聴取を経て、10月26日までに48件の小売電気事業者が登録されている。

また現在、託送料金申請の審査や小売営業等に関する詳細制度設計が進められており、年内を目途に託送料金の認可およびガイドライン案の策定等を行う予定。

これらの進捗を踏まえ、小売電気事業者は、現行契約の変更を希望する需要家の受付などの事前手続を来年1月から開始する見込み。

家庭をはじめとする現在の規制部門の需要家(消費者)の立場から見ると、来年1月から、電気の供給者を現在の電力会社から新しく別の事業者(小売電気事業者)に変更する申込みができるようになる。なお、契約変更(スイッチング)の手続に際し、需要家が現在の電力会社に対し連絡を行う必要はない。

こうしたスイッチングの手続を円滑に行うため、広域機関および電力会社はスイッチング支援システム等の開発・整備に着手している。

通信機能を有する新しい電力量計であるスマートメーターは、小売全面自由化後、時間帯別料金など多様な料金メニューの提供等を支える基盤としての役割を果たすものとなる。各電力会社は、2020年代早期のスマートメーター全数設置を目指し、計画的にスマートメーターの設置が進めている。

今回の委員会では、これら事前準備の進捗状況の資料をもとに、議論が行われた。資料の概要は以下のとおり。

小売全面自由化に向けた事前準備の進捗状況

1. 小売電気事業者の登録状況

小売電気事業の登録は、8月から受付を開始。これまで計95件(10月23日時点)の申請を受け付けており、現在も週数件のペースで増加中。電力取引監視等委員会に対する意見聴取を経て、10月26日までに48件を登録。申請のあった案件については、審査が終了次第、順次登録を行っていく。

これまでに小売電気事業者として登録を行った者には、LP・都市ガス系や石油系、再エネ系など、様々な業種からの参入の動きがみられる。

登録小売電気事業者の分類(業種別)

現電力会社系 LP・都市ガス系 石油系 再エネ系 その他業種
ケイ・オプティコム
【関西電力子会社】

ダイヤモンドパワー
【中部電力子会社】
須賀川瓦斯
サイサン
ミツウロコグリーンエネルギー
・静岡ガス&パワー
中央セントラルガス
北海道瓦斯
大阪瓦斯
昭和シェル石油
東燃ゼネラル石油

【出光系】
出光グリーンパワー
プレミアムグリーンパワー

【コスモ系】
総合エネルギー
新出光
SEウイングズ
ネクストパワーやまと
Looop
荏原環境プラント
東京エコサービス
エヌパワー
泉佐野電力
グリーンサークル
ウエスト電力
神奈川県太陽光発電協会
日本エナジーバンク
新エネルギー開発
V-power
大和エネルギー
アップルツリー
・トラスティルグル-プ
ナンワエナジー
にちほクラウド電力
伊藤忠エネクス
エクレ
デベロップ
現在の主要PPS
F-Power
イーレックス
リエスパワー
イーセル
エネット
日本アルファ電力
エネサーブ
日本テクノ
中央電力エナジー

※分類については、資源エネルギー庁が本資料のために便宜的に行っているもの

2. 託送料金審査の進捗状況

託送料金メニューを定める託送供給等約款については、7月末に10電力会社から認可申請があり、9月1日の電力取引監視等委員会の発足に伴い、委員会に対する意見聴取を実施。現在、委員会の下に設置された電気料金審査専門会合において審議が行われており、委員会からの回答があり次第、年内に認可予定。

3. 小売分野に関するガイドラインの整備状況

現在、電力取引監視等委員会において、来年4月の小売全面自由化後に小売電気事業者が遵守すべき説明義務や書面交付義務の詳細、公正かつ有効な競争の確保の観点から望ましい行為等を中心に議論中。今後、電力取引監視等委員会および資源エネルギー庁において、年内を目途にガイドライン案を提示し、所要の意見公募手続を経て策定予定。

電力会社におけるシステムの開発・整備状況およびスマートメーターの設置状況

1. システムの開発・整備状況

小売全面自由化に伴い、需要家による電気の供給者(小売電気事業者)の変更が多数発生することが想定され、こうしたスイッチングの手続を円滑に行うため、広域機関及び電力会社はスイッチング支援システム等の開発・整備を進めている。

各電力会社は、スイッチングおよび託送料金精算手続等円滑化のためにシステムの開発・整備を進めており、来年2~3月までに整備を完了する予定。

スイッチング手続きに係るシステムのイメージ

スイッチング手続きに係るシステムのイメージ

2. スマートメーターの設置状況

・小売全面自由化に向けたスマートメーターの設置

小売全面自由化に先立ち、各電力会社は、2016年1月以降、スイッチングを希望する需要家に対して、原則として4月1日までにスマートメーターを設置することとしている。ただし、スマートメーターの設置工事には一定の期間を要するため、4月1日に近い日に変更希望の連絡が行われた需要家は、スマートメーターの設置が4月1日以降になる可能性が高い。

※スマートメーターの設置工事が必要な場合、契約先の変更には通常2週間程度を要する。

・スマートメーターの設置とスイッチング

スイッチング希望者に対しては優先的にスマートメーターが設置されるが、仮にスイッチング希望日までに設置されなかった場合であっても、一般送配電事業者がスイッチング日当日に現地で検針を行いその時点の使用量を把握することにより、スイッチングを行うことが可能。

また、スマートメータ-が未設置であると、遠隔検針による30分単位の電気の使用量の把握ができなくなるが、一般送配電事業者と小売電気事業者の間のインバランス料金精算を月単位の使用量で行うことにより、料金精算を行うことが可能。

・スマートメーターのセキュリティ対策

7月、スマートメーター制度検討会セキュリティ検討WGにおいてスマートメーターのセキュリティ対策が取りまとめられ、来年4月の小売全面自由化までに、各電力会社は統一的なガイドラインに基づいた対策を実施することとされている。

小売全面自由化に向けた検証の進め方

これまでの電力システム改革小委員会制度設計ワーキンググループ(WG)の議論を引き継ぎつつ、8月以降に進捗のあった事項を中心に、検証を進めていく案が示された。本年度中に3回の委員会を開催する予定。

【参考】
経済産業省 - 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力基本政策小委員会(第1回)

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